働き方改革

働き方改革で公務員の仕事はどう変わる?

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近年関心が高まっている働き方改革。時間外労働時間の上限規制などの法規制が施行されたこともあり、民間ではさまざまな取り組みが進められています。一方、働き方改革を主導する行政(公務員)自身の働き方改革は進行しているのでしょうか。今回は、公務員の働き方改革に焦点を当てて、その状況を解説します。

公務員の働き方

 

はじめに、公務員の労働時間の現状について「霞が関国家公務員労働組合」の調査によると、国家公務員の残業時間は、2017年1月~12月の月平均で33時間となっています。

 

そのうち、過労死ラインといわれる「月100時間以上」の人は2.7%、「月80時間以上」だと6.3%です。民間企業では月80時間以上は2%程度といわれているので、かなり多い状況ではないでしょうか。
また、「休日出勤」をしている人は58.3%と、半数以上の職員が休日出勤を余儀なくされているようです。

 

参照:霞が関国家公務員労働組合共闘会議「中央府省等に働く国家公務員の第26回残業実態アンケート(2017年1月~12月の1年間)の結果について」

改正労働基準法は公務員には適用されない?

「働き方改革」に関する法改正の主な内容は、次の2つです。

 

①労働時間法制の見直し
②同一労働同一賃金

 

①の労働時間法制の見直しでは以下のように多くの内容があり、労働基準法・労働安全衛生法などの法律が大幅に改正されました。

  • 残業時間の上限規制
  • 勤務間インターバル制度の導入
  • 年間5日の年次有給休暇取得
  • 月60時間を超える残業の割増賃金率の引上げ(中小企業)
  • 労働時間管理の徹底
  • フレックスタイム制の拡充
  • 高度プロフェッショナル制度導入 など

この労働基準法・労働安全衛生法の適用対象者は「職業の種類を問わず、事業または事務所に使用され、賃金を支払われる者」とされていますが、一部適用を除外されている人たちがいます。それは、公務員や船員などです。しかし、適用除外とされた公務員はまったく労働法制がないのかというとそうではありません。労働基準法は適用されませんが、公務員は国家公務員法、地方公務員法などによって別に定められています。

 

国家公務員については、「人事院規則」において時間外労働の上限規制が規定され、「超過勤務の上限等に関する措置について」に以下の記載があります。「各省各庁の長は、原則として1箇月について45時間かつ1年について360時間の範囲内(他律的な業務の比重の高い部署に勤務する職員に対しては、1箇月について100時間未満、1年について720時間かつ2~6箇月平均80時間等の範囲内)で、必要最小限の超過勤務を命ずるものとする。」
労働基準法の規定と基本的には同等の内容ですが、労働基準法と違い、違反による罰則はありません。

 

引用:人事院「超過勤務の上限等に関する措置について」
 
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「働き方改革」における公務員と一般企業の違い

 

「少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少」という課題を抱える日本では、次の内容が働き方改革の狙いとなっています。

 

『誰もが働きやすい環境を整備し、それを自由に選択できるようにすることで、女性や高齢者など多様な労働力の労働参加を促し、国家の経済成長へつなげていくこと』

 

特に、中小企業では人手不足が深刻なので、働き方改革により職場の魅力を高め、人材確保につなげることを期待しています。

 

それでは、公務員の働き方改革はどうでしょうか。内閣官房の懇談会において、国家公務員のメンバーから次のような見解が出されています。

 

『民間企業であれば、「売り上げを伸ばす、企業価値を上げる」等の目的をもって「働き方改革」に取り組んでいると承知しているが、国における「働き方改革」の目的は何か。』

 

この問いに対し、『日本のため、国民のための質の高い政策の立案遂行に向け、すべての国家公務員がそれぞれの能力を十分に発揮できる環境を作ること』と応答されました。

 

利益追求の有無など違いはあるものの、誰もが能力を発揮できる働き方を目指すという点においては、民間も公務員も働き方改革の狙いは同じようです。

 

引用:内閣官房『「国家公務員の働き方改革」とは?(公務員メンバーの間での議論)』
 
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働き方改革によって公務員の働き方に変化はある?

 

今後の公務員の働き方はどう変わっていくのでしょうか。着目すべき動きとしては、省庁ごとに若手職員が中心となって主体的な改革を進めている点です。

 

厚生労働省では、「厚生労働省の業務・組織改革のための緊急提言」が、同省改革若手チームにより令和元年8月にまとめられました。その中では、職員の生の声が紹介されています。

 

例えば、「厚生労働省に入省して、生きながら人生の墓場に入ったとずっと思っている。(大臣官房、係長級職員)」「家族を犠牲にすれば、仕事はできる。(社会・援護局、課長補佐級職員)」など、過酷な労働環境の中で踏ん張っているリアルな姿を伝えています。
そういった現状について若手チームはさまざまな対策を提示しているため、民間企業でも大変参考になります。

 

特に参考になるのは以下の対策でしょう。

出典:厚生労働省改革若手チーム「厚生労働省の業務・組織改革のための緊急提言」
 
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まとめ

働き方改革を推進していくためには、民間企業だけでなく、主導する行政(公務員)自らもアイデアを出し、本気で働き方を変えていく必要があります。省庁の若手チームの取り組みには参考になる事例があるので民間企業でも積極的に取り入れましょう。

 

参照:内閣官房「第1回 霞が関の働き方改革を加速するための懇談会 配布資料等」
参照:内閣府「第2章 働き方の変化と経済・国民生活への影響 第1節」
 
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天野 洋一社会保険労務士天野事務所
所長 社会保険労務士 天野 洋一(社会保険労務士天野事務所)
千葉大学卒、同大大学院修了。
自動車メーカーで約10年間勤務後、愛知県豊田市で開業。
労務顧問や助成金申請に加え、労務のクラウド×IT化を積極的に推進している。
またライフワークとして、障害年金申請サポートにも注力している。
公式URL:https://www.amano-yoichi.com

WORKSHIFT DESIGN 編集部

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WORKSHIFT DESIGN 編集部

WORKSHIFT DESIGN(ワークシフトデザイン)編集部。 働き方を、シフトする。現場目線で新しい時代の働き方を考えるメディアとして【働き方改革】【リモートワーク/ワークスタイル】【残業削減】【業務効率化】をテーマに記事を執筆しています。