働き方改革

経営者必見!働き方改革の目的と支援制度の概要

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ここでは、働き方改革に取り組みたい企業の経営層へ向けて、政府が働き方改革を推進する目的と企業が働き方改革を推進するメリットや助成金などの支援制度の活用方法をご紹介します。

働き方改革が目指す目的とは

なぜ働き方改革が必要なのか、政府の目的と企業のメリットをそれぞれご紹介します。

働き方改革の主な目的

働き方改革とは、高齢化・少子化によって労働人口が減少している日本の現状に対応し、新たな働き方を推進していくことを目的としたチャレンジです。政府が設置した『働き方改革実現会議』では、1.正規・非正規雇用の待遇格差、2.長時間労働、3.ライフステージに合った仕事の仕方といった3つの課題が掲げられています。投資やイノベーションといったマクロな経済活動だけではなく、現場を支える労働者の働き方も見直し、目的の実現を目指しています。

企業が働き方改革を行うメリット

生産性向上

働き方改革の推進は、労働者個人の働き方をより良くするだけではなく、企業にとっても大きなメリットがあります。働き方を見直し改善することは、非効率的な業務の改善にもつながるため、企業の生産性を向上させることができます。

社員の働きやすさの向上

生活に合った働き方を実現することで、社員の労働満足度を上げることができます。それにより、モチベーションアップによる労働のクオリティアップ、過労死や健康リスクの低下、人員の定着率アップなどの効果が期待できます。

 

ただし、「働きやすい環境」「生活に合った働き方」は人それぞれ違います。
例えば物心ついたときから大企業が倒産するのを目の当たりにしてきた若年層は、『健全な危機感』があるからこそ、長時間労働で会社に縛り付けられることを望まない傾向があります。優秀な人材ほど、どんな企業でも活躍できるための自己研磨やネットワーク作りのできる環境を「働きやすい」と感じるのです。
一方で、中堅・ベテラン層は親の介護と仕事が両立できるような環境を「働きやすい」と感じることもあります。

 

このように若手 / 中堅・ベテラン層と、ざっくりと分けただけでも「働きやすさ」の捉え方に大きな違いがあります。働き方改革を推進する際は社員の働きやすさの捉え方を、丁寧に汲み取ることがカギになるでしょう。

企業イメージの向上

積極的に働き方改革を推進することは企業のイメージアップにつながり、より大きな社会的信用を得ることができます。働き方改革に成功した企業は、新聞・雑誌・テレビといったメディアによって好事例として取り上げられる機会も多いです。知名度を上げるためにも有効な方法と言えます。さらに、知名度が上がることで採用面でもメリットがあります。一般的に、ライフスタイルにあった働き方を求めるタイプの人の中には優秀な人材が多い傾向があるため、自ずと良い採用にも繋がりやすくなるでしょう。

助成金の支給

働き方改革を推進するメリットとして、厚労省や地方自治体から助成金を受けとることができます。これまでは予算の都合で社内改革が難しかった企業でも、助成金の活用によって業務の効率化や社員満足度の向上が可能です。

 
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働き方改革への取り組み

働き方改革をスローガンとして掲げるだけではなく、さまざまな取り組みが実施されています。政府主導で行われている主な政策をご紹介します。

長時間労働改善への取り組み

近頃では、企業による「36協定」の見直しが行われています。「36協定」とは労働基準法36条に記載されている協定のこと。この協定により、企業は労働者に法定労働時間(週40時間・1日8時間)以上、働くことを求めることが可能になります。とはいえ、36協定を締結した場合であっても、月に45時間までの上限が定められているため、無限に働きつづける状況に陥ることはありません。しかし、例外として企業の繁忙期といった「特別な事情」に当てはまる場合、月45時間までの上限も超えて働くことができるようになります。この制度を「特別条項付き36協定」と言いますが、特別な事情の範囲が曖昧であるため、残業時間を制限しづらいという問題がありました。そのため、36協定の運用を見直し・明確な上限を設定・残業時間の規制強化が急がれています。

賃金の引き上げ

労働者の賃金引き上げに関する取り組みとして、「同一労働同一賃金」が重視されています。同一労働同一賃金は、正規雇用者と非正規雇用者の待遇格差の解消が目的の施策です。現在ガイドライン案が提出され、どのような場合に不合理な格差とみなされるのか、審議が行われています。

多様な働き方実現への取り組み

これまでの慣習にとらわれない多様な働き方の実現を目指して、自宅やサテライトオフィスで働ける「テレワーク」の導入や、副業の解禁が推進されています。さらに十分な労働人口を確保するために、人材の受け入れや育成に関する制度も拡充中です。現在、日本企業の多くで、外国人の受け入れ・定年を迎えた人材の就業促進・将来社会に出る人材の育成に力を入れています。
 
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働き方改革の助成金・補助金制度

 

主だった助成金・補助金の支給条件や、支給額、申請方法をご紹介します。

時間外労働等改善助成金

「時間外労働等改善助成金」は、中小企業の働き方改善を促進するために、厚労省が支給している助成金のこと。以前、実施されていた「職場意識改善助成金」を前身とし、修正を加えて2018年4月に新設されました。現状、助成金は時間外労働上限設定コース、勤務間インターバル導入コース、職場意識改善コース、団体推進、テレワークコースという5つに分かれています。たとえば、時間外労働上限設定コースであれば、「36協定」で延長する労働時間短縮等で最大200万円の助成金が得られます。団体推進は3事業主以上で構成されている事業主団体が、所定の条件を達成することで最大500万円が得られるコースです。

 

これら5つのコースに共通する適用条件は2つ。1つ目は労働者災害補償保険の適用事業主であること。2つ目は、次の表のいずれかに該当する中小企業であることです。この他、コース個別の条件もあるので、気になるコースは厚労省で条件を確認しておくと良いでしょう。

 

業種 A.資本または出資額 B.常時雇用する労働者
小売店(飲食店を含む) 5,000万円以下 50人以下
サービス業 5,000万円以下 100人以下
卸売業 1億円以下 100人以下
その他の業種 3億円以下 300人以下

出典:厚生労働省 時間外労働等改善助成金(時間外労働上限設定コース)

時間外労働上限設定コース

時間外労働上限設定コースは、「36協定」で延長する労働時間短縮を目的としています。支給には以下のうち、いずれかの目標の達成に加えて、週休2日制導入に向けて4週当たり5~8日の休日を増やすことが必要です。これらの達成で、助成金が支給されることになります。助成額の上限は、労働時間短縮と休日増加をあわせて最大200万円です。

 

1.時間外労働時間数で月 45 時間以下かつ、年間 360 時間以下に設定
2.時間外労働時間数で月 45 時間を超え、月 60 時間以下かつ、年間 720 時間以下に設定
3.時間外労働時間数で月 60 時間を超え、時間外労働時間数及び法定休日における労働時間数の合計で月 80 時間以下、かつ、時間外労働時間数で年間 720 時間以下に設定

勤務間インターバル導入コース

勤務間インターバルコースは、長時間労働の抑制が目的です。助成金の支給対象となる目標は「休息時間数が9時間以上11時間未満であること」または「11時間以上の勤務間インターバルを導入すること」。取り組みの実施状況に応じ、制度導入費用の4分の3(※)が支給されます。助成額の上限は50万円で、「新規導入かつ休息時間数が11時間以上」が上限額の適応条件です。

 

※常勤の労働者数が30名以下で、支給対象の取り組みが「労務管理用ソフトウェアの導入・更新」や「労務管理用機器の導入・更新」などを実施する場合は、補助率が5分の4になることがあります。

職場意識改善コース

職場意識改善コースは、残業削減と有休取得の促進を目的としています。支給される上限額は導入費用の4分の3で、上限額は150万円です。上限満額まで支給される条件は、年間平均取得日数を12日以上増加させ、週所定労働時間を2時間以上短縮させ40時間以下にすることです。

団体推進

団体推進は、3事業主以上で構成されている事業主団体が対象です。時間外労働の削減もしくは賃金引き上げに取り組み、構成事業主の2分の1以上で取り組みを活用できた場合に支給されます。上限額は500万円ですが、構成事業主が10以上の団体である場合は、さらに引き上げられ、上限額は1,000万円です。

テレワークコース

テレワークコースは、在宅又はサテライトオフィスにおいて就業するテレワークに取り組む中小企業事業主に対して、その実施に要した費用の一部を助成するものです。テレワークの新規導入または継続活用を目的としています。支給条件となる成果目標は3つ。

 

1.対象者全員が最低1回以上テレワークを行う
2.期間中のテレワーク実施数が週平均1日以上
3.有休の年間平均取得日数が4日以上、または月間平均残業時間を5時間以上削減

 

上記条件を満たした場合、成果費用の4分の3が支給されます。上限額は150万円で、謝金、旅費、借損料、会議費、雑役務費、印刷製本費、備品費、機械装置等購入費、委託費などが成果費用の対象になります。

地方自治体の助成金

厚労省が実施している助成金制度の他に、地方自治体が独自に実施している助成金制度もあります。例として、東京都は「TOKYO働き方改革宣言」を実施し、参加企業に最大110万円の支給を行っています。平成30年度は、5月10日事前エントリー受付の第1回から、11月9日エントリー受付の第7回まで実施予定です。予定社数は、第5回までは180社、第6回は90社、最後の第7回は20社と限られています。説明会も実施されているため、エントリー予定の企業は事前に公式サイトで確認しておきましょう。
※平成31年の日程はまだ未発表です。公式サイトでご確認ください
 
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働き方改革に取り組むときの相談先

 

実際に働き方改革に取り組むときのために、主な相談先をご紹介します。

相談窓口の活用

働き方改革に対する質問や相談は、各都道府県に設置されている「働き方改革推進支援センター」で受付されています。企業の要請に応じて、社会保険労務士を無料で派遣してくれるため、企業の現状や、働き方改革の取り組み方について相談することができます。社員の待遇改善や人手不足解消に向けた支援制度の紹介や、申請様式の作成方法など、気になることを詳しく相談してみると良いでしょう。

ポータルサイトの活用

事前に情報を収集しておきたい場合は、厚労省の「働き方・休み方改善ポータルサイト」を確認することをおすすめします。働き方・休み方改善ポータルサイトでは、企業や社員に向けた改善指標の自己診断チェックを行うことができ、企業・自治体改革の好事例集もまとめられているため、改革の実施に役立てることができます。助成金の申請方法の説明もまとめられており、申請マニュアル・申請様式のダウンロードも可能です。また、「TOKYOはたらくネット」のように、各自治体によって運営されている働き方改革ポータルサイトもあります。厚労省のサイトだけではなく、企業所在地の自治体のポータルサイトも確認してみると良いでしょう。

 

出典:働き方・休み方改善ポータルサイト
出典:TOKYOはたらくネット
 
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目的に沿った働き方改革を行おう

働き方改革の目的は、日本経済や労働者の健康・生活の質を向上させることを目的とした重要な取り組みです。働き方改革を進めるためには、企業・個人もそれぞれの目標・目的を持ち、積極的に取り組んでいくことが求められています。

 

加えて、「働き方改革は100社あれば100通りの方法がある」ということを理解しておくのも重要です。助成金などの支援制度を活用しながら、自社の特徴(事業内容や風土)にマッチする働き方改革はどのようなものかを、よくよく考えながら取り組みましょう。
 
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監修
株式会社ワーク・ライフバランス コンサルタント
財団法人 生涯学習開発財団 認定コーチ
風間正彦大企業から中小企業まで幅広く担当し、持ち前の交渉力・コミュニケーション力で人材の力を引き出し、チームで効率よく目標を達成するプロジェクトマネジメントに定評がある

WORKSHIFT DESIGN 編集部

WRITER

WORKSHIFT DESIGN 編集部

WORKSHIFT DESIGN(ワークシフトデザイン)編集部。 働き方を、シフトする。現場目線で新しい時代の働き方を考えるメディアとして【働き方改革】【リモートワーク/ワークスタイル】【残業削減】【業務効率化】をテーマに記事を執筆しています。