複数の店舗や拠点を運営する流通・小売業では、本社の方針や商品情報を店舗へどう届けるかが課題になりがちです。店舗で得た気づきや売れ筋の情報を、本社や他店舗へ共有することも課題になりがちです。店舗スタッフはシフト勤務で、パソコンの前に座る時間が限られることも少なくありません。そのため、連絡手段が紙、FAX、口頭、メールなどに分散しやすく、情報の届き方に差が出ることがあります。
グループウェア「desknet's NEO」は、あらゆる業種・規模の企業で導入されており、導入事例は210件掲載されています。流通・小売業の事例も数多くあります。本記事では、流通・小売業の活用例から3社を取り上げます。
この記事でわかること
- 流通・小売業で情報共有が難しくなりやすい理由
- 本社・店舗間、店舗同士の連携でグループウェアが使われている具体例
- 事例から読み取れる、課題・活用機能・期待できる効果の関係
- 流通・小売業がグループウェアを検討する際に確認したいポイント
目次
流通・小売業が抱えやすい情報共有の課題
ここでは、流通・小売業で一般的に起こりやすい課題を整理します。
| 課題 | 詳細 |
|---|---|
| 本社と店舗の距離 | 店舗が各地に点在し、本社の意図や最新の指示が現場まで届くのに時間がかかることがあります。 |
| 店舗間の情報格差 | 店舗ごとに売り場や顧客層が異なるため、好事例や顧客対応のノウハウが他店に伝わりにくくなります。 |
| 勤務形態の多様さ | シフト勤務やパート・アルバイトが多い職場では、全員に同じタイミングで情報を届けにくく、共用パソコンでの利用が前提になることもあります。 |
| 商品・売上情報の迅速な共有 | 売れ筋の変化や在庫の動きは速く、情報共有が遅れると、発注や売り場づくりの判断にも影響しかねません。 |
| 紙・FAX・口頭への依存 | 日報や通達を紙やFAXで運用していると、店舗数の増加とともに集約や配布の負担が大きくなります。 |
こうした課題に対し、グループウェアは「情報の置き場所」と「連絡や報告の流れ」をそろえる手段になり得ます。まず、代表的な3社の取り組みを見ていきます。
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事例1:重要情報を一つの機能に集約し、本社と店舗をつなぐ(ライフコーポレーション)
株式会社ライフコーポレーション様は、近畿圏・首都圏でスーパーマーケットチェーン「ライフ」を320店舗以上展開しています(2026年10月現在)。
株式会社ライフコーポレーション様の事例を見る
導入前の課題
同社は2001年から旧製品のdesknet'sを利用しており、サポート終了を機にdesknet's NEOへリプレイスしました。リプレイスにあたっては、次の点を重視されています。
- 店舗での活用に負担をかけず、ユーザーが戸惑わずに移行できること
- 利用度の高かった「回覧・レポート」と同等の活用ができること
活用した機能や運用
回覧・レポートが最も活用されている機能で、全体の活用の8~9割を占めています。本社と店舗を結ぶ重要な情報伝達手段として定着しており、回覧・レポートの投稿・共有件数が、1日に数千件に及ぶこともあるそうです。店舗では商品部門ごとにユーザーIDを割り当て、チーフ、サブチーフ、パート・アルバイトまでが同じ部門の情報を確認しています。共有される情報や業務の例は次のとおりです。
- 仕入れ担当部の週間情報
- 旬の生鮮食品のレシピ
- 販売強化商品の情報と陳列
- 人気商品や限定商品の店舗間での調達・配分
「絶対に見るべき情報はここにある」という意識を、発信する側と受け取る側の双方で共有している点も特徴です。
アンケートでは、本社から全店舗への一斉ヒアリングや数値の集計を行っています。店舗設備の確認、売り場演出用備品の一括発注、パートナー教育の進捗確認、季節商品の予約状況の把握などに使われています。緊急性の高くない告知はインフォメーションで配信しています。
スケジュールは、管理職や店舗を巡回する担当者の所在確認に活用されています。設備予約と組み合わせて会議室や機材を管理し、2021年からは個別カスタマイズ・サービスによる会議室予約システム「RoomMgr」も導入されました。
導入で得られた効果
同社では、次のような効果を実感されています。
- 本部と店舗間の重要案件や最新情報を、確実かつ迅速に共有できるようになった
- アンケートで商品の予約販売状況や施設環境を把握しやすくなり、調査・集計も容易になった
- 会議室の運用が効率化し、稼働率の向上や対面でのコミュニケーションの活性化につながった
導入の進め方にも配慮
同社は、本社向けと店舗向けに別々のマニュアルを作成し、説明会を実施しました。その後、全拠点で数か月の仮稼働期間を設け、浸透度を見て本稼働に移行しています。当時新型コロナの影響で仮稼働は延長され、2020年9月から本稼働となりました。この延長が、本稼働後のスムーズな活用浸透につながったと振り返っています。
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事例2:FAXの営業日報を置き換え、売上と現場の気づきを共有する(大垣書店)
株式会社大垣書店様は、京都市に本社を置き、近畿エリアを中心に書店を全国展開している企業です。
株式会社大垣書店様の事例を見る
導入前の課題
各店舗の営業日報はFAXで本社に集められ、重要な情報をダイジェスト化して全店に配布されていました。出店数が増えるとFAXの量も膨大になり、全店で共有するまでに3~4日かかったこともあったそうです。売れ始めた商品の情報共有が遅れると、追加発注などのセールスチャンスを逃しかねないという問題意識もありました。
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活用した機能や運用
営業日報の提出・共有を回覧・レポートに移行しました。以前の書式項目をそのまま回覧・レポートの書式にしたため、短期間で定着したそうです。共有される内容は、1日の売上、店長コメント、その日の出来事、来店客数、部門別売上、売れ筋、注目商品などです。そのほかの機能は次のように使われています。
- ワークフロー:紙の申請書のうち、重要なものから段階的に移行しています。例として、JANマスタ登録の申請を全店舗分まとめて一元管理できるようにしています。
- スケジュール:シフト勤務の店長同士の予定確認や、本社から店舗へ連絡する際の所在確認に使われています。
- 設備予約・文書管理:会議室、備品、レジスター、申請書類のフォーマット(約100文書)などを管理しています。
- ネオツイ(つぶやき):書店員が気づいた情報や、メディアで得た売れ行きに関わりそうな話題を、気軽に共有する場として使われています。
導入で得られた効果
同社では、次のような効果を実感されています。
- 売上の集計と速報を、全店で把握できるようになった
- 本社と店舗、店舗同士でフォローや声かけが相互に行われるようになり、店舗全体のモチベーションアップにもつながっている
- 本社商品部の発注・仕入れ効率が向上した。希望部数の確認や、急に売れ始めた商品の案内を、全店舗にすばやく伝えられるようになった
こうした情報共有を、書店の魅力づくりや販売促進にもつなげています。なお、売上への影響などは具体的な数値としては公開していません。
現場に根づかせる工夫
機能が使いやすく、書店員の実務に負担をかけずに利用が進められることは評価のポイントでした。店舗では複数人でパソコンを共有していますが、ユーザーがそれぞれ自分のアカウントでログインして利用できることは選定理由の一つでした。利用に関する教育においても、集合研修は行わず、現場でスタッフ同士が使い方をレクチャーする形で浸透を図れています。
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事例3:店舗間の連携と顧客サービスの向上を支える(コジマ)
株式会社コジマ様は、首都圏を中心にペットの総合専門店を展開、動物病院の経営、ペット用品の通信販売・輸入販売などを手がけています。
株式会社コジマ様の事例を見る
導入前の課題
当時は電話とFAXが主な連絡手段でしたが、特に大きな課題として意識されていたわけではありませんでした。製品の検討にあたり、メールとは異なる全社一斉連絡ができること、コメント欄で双方向のやりとりができること、スケジュールを共有できることに着目されました。社内の課題解決というよりは、働きやすい環境をつくることを目的にグループウェアの導入を検討されました。
活用した機能や運用
| 機能 | 活用状況 |
|---|---|
| 回覧・レポート | 社内で最も使われている機能です。特にカスタマーサポート面での利用が多く、お客様に喜ばれたエピソードやクレーム、販売上のナレッジの共有に使われています。店舗間の物品やペットの移動の連絡では、画像を添えて、ミスの防止に役立てています。 |
| インフォメーション | 新店舗の開店や営業時間の変更など、全社員向けの周知に使われています。 |
| スケジュール、 設備予約 |
空き状況をもとに予定を入れる文化が根づいており、会議室などの予約とあわせて、日程調整の手間が減りました。 |
| 文書管理 | 社内規定や店舗マニュアルなどを電子化して保存しています。 |
導入で得られた効果
各店舗の取り組みを共有することで、店舗同士が切磋琢磨する気風が生まれたそうです。売り場コンテストも、グループウェアという基盤があったから生まれたと語っています。担当者は、回覧・レポートを起点に顧客サービスが向上したと実感されています。
定着までの歩み
浸透は徐々に進み、ITに不慣れな社員も多かったため、本格的に活用できるようになったのは導入から10年以上経ってからだと振り返っています。まず「インフォメーション」と「回覧・レポート」の定着に力を入れ、使える人から口頭で広めていった点が、無理のない定着の工夫として参考になります。
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流通・小売業の事例から見える、グループウェアで解決できること
3社の事例をもとに、課題と活用機能、期待できる効果を整理します。表中の「期待できる効果」は一般論であり、効果の出方は自社の運用によって異なります。
| 課題 | 活用機能 | 期待できる効果 |
|---|---|---|
| 本社の指示や最新情報が店舗に届きにくい | 回覧・レポート、 インフォメーション |
重要情報の置き場所が決まり、見落としの減少が期待できます |
| 日報や売上情報の集約・共有に時間がかかる | 回覧・レポート | 売上速報や現場の気づきを早く共有できる可能性があります |
| 全店舗への調査・確認に手間がかかる | アンケート | 調査・集計の効率化が期待できます |
| 店舗間でノウハウや好事例が共有されにくい | 回覧・レポート | 店舗同士の交流やナレッジの蓄積に役立つ可能性があります |
| 管理職・巡回担当者との連絡がつきにくい | スケジュール、 設備予約 |
所在確認や日程調整の手間の軽減が期待できます |
| 紙の申請書の承認に時間がかかる | ワークフロー | 申請・承認の流れの見える化が期待できます |
共通しているのは、特別な使い方をしているわけではなく、「日々の報告・通達・予定」という日常業務を土台にしている点です。そのため、店舗スタッフの負担を抑えた運用が、定着を後押しする要素の一つと考えられます。
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流通・小売業がグループウェア導入を検討する際のポイント
1.使う人の業務に負担をかけないか
ライフコーポレーションは店舗スタッフの主業務に負担をかけないことを、大垣書店は店舗の共用パソコンで複数のユーザーが使えることを重視していました。多忙な店舗スタッフを前提に、操作のわかりやすさを確認しておくことが大切です。
2. 最初に利用する機能を絞る
3社とも、回覧・レポートなど日常利用頻度の高い情報共有業務から着手しています。日報や通達など、全員が必ず見る業務から着手すると定着しやすくなると考えられます。
3. 既存のフォーマットや運用を活かす
大垣書店は、従来の日報の書式をそのまま移したことで、スムーズに移行できました。慣れた形を残すことも、現場の負担や戸惑いを抑える工夫になり得ます。
4. 定着の進め方を計画する
ライフコーポレーションは本社・店舗別のマニュアルと仮稼働期間を設け、コジマは使い方を口頭で伝え合う形で、時間をかけて広げました。社内の状況に合わせた定着策を事前に決めておくと安心です。
5. 将来の拡張や運用体制も見ておく
出店や組織の拡大に伴い、ユーザー追加のしやすさやサポート体制、コスト(初期費用と運用費用)も確認したい点です。提供形態(クラウド版・パッケージ版)の違いも比較したうえで選びましょう。
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ほかにもある流通・小売業の導入事例
desknet's NEOの流通・小売業の事例は、ここでご紹介した3社以外にも公開しています。テーマ別に整理しましたので、自社に近い事例からお読みください。
| テーマ | 企業名 利用規模/利用形態 |
概要 |
|---|---|---|
| 多店舗・グループ内の情報連携 | 西日本三菱自動車販売 約1,000ユーザー/クラウド版 |
組織の成長にともない、7府県75店舗の情報連携に活用。営業力強化と快適なカーライフのサポートに効果を上げています。 |
| 埼玉トヨペット 約1,500ユーザー/クラウド版 |
グループ企業間の情報共有・連携強化に活用。価格だけでなく、操作性の良さも導入の決め手になりました。 | |
| 山陰酸素工業 893ユーザー/パッケージ版 |
企業グループ12社2組合の情報共有基盤として、進化を続けています。 | |
| 商品・売上情報の共有、店舗連携 | 仲庭時計店 25ユーザー/クラウド版 |
活用機能を増やして、商品情報や売上速報の共有、店舗連携を強化。実店舗とECサイトの相乗効果で、新たに生まれる顧客ニーズへの対応も見据えています。 |
| 営業報告・タスクの全社共有 | 芳雄製氷冷蔵 21ユーザー/クラウド版 |
営業報告書の全社共有で、顧客の要望にすばやく対応しています。 |
| 佐々木冷菓 110ユーザー/パッケージ版 |
電子会議室で全事業所がタスクを共有。急成長する組織の営業力・提案力が強化されました。 | |
| 受発注・情報資産の活用 | サンコー 72ユーザー/クラウド版 |
中国への発注、日本への入荷を一元化。今では事業を支える仕組みとして活用されています。 |
| 三井倉庫ロジスティクス 530ユーザー/クラウド版 |
長期利用の既存製品から乗り換え、AppSuiteで価値ある情報資産を可視化しています。 | |
| 働き方・組織づくり | ヒガシトゥエンティワン 380ユーザー/クラウド版 |
グループウェアで仕事の質が良くなり、働き方改革での活躍にも期待されています。 |
| 百貨店・専門店の情報共有 | 松屋 400ユーザー/クラウド版 |
松屋銀座の魅力を支える、情報共有の活かし方をご紹介しています。 |
ほかに、小田急百貨店、築地魚市場、佐々木冷菓、三井倉庫ロジスティクスの事例も掲載されています。全件は流通・小売業の導入事例一覧からご覧いただけます。
よくある質問(FAQ)
- Q. 流通・小売業がグループウェアを導入する際、どのような点に注意すればよいですか?
- A. 店舗スタッフが使える端末や時間、共有する情報、確認・対応のルールを事前に整理することが大切です。利用者や店舗の実情に合った運用にし、必要な機能から段階的に始めると、現場の負担を抑えやすくなります。
- Q. 店舗スタッフのITスキルや端末環境に不安があっても、導入できますか?
- A. 導入できます。利用できる端末や時間に合わせて、使う機能や対象業務を絞ることがポイントです。操作方法や問い合わせ先を分かりやすく案内し、導入後も現場の声を聞きながら運用を調整しましょう。
- Q. 紙やFAXの日報・通達は、どのように移行すればよいですか?
- A. 現在の書式や共有の流れを整理し、移行する業務を選びます。既存の書式や運用を活かしながら、まずは日報など対象を絞って試行すると、現場への影響を確認しやすくなります。試行後に課題を見直してから、対象業務を広げる方法もあります。
- Q. グループウェアの定着には、何から始めればよいですか?
- A. 利用目的と対象者を明確にし、日常的に使う業務から始めましょう。情報を掲載する場所や確認ルールを決め、使い方を簡潔に案内します。導入後は利用状況や現場の声を確認し、必要に応じて運用を見直すことが大切です。
- Q. 導入前に、使い勝手を確認する方法はありますか?
- A. はい、無料トライアルがあります。desknet's NEOクラウド版は30日間、機能の制限なく実際の画面で操作感を試すことができます。店舗スタッフに近い立場の方にも触れてもらい、日常業務の中で使い続けられるかを確認することをおすすめします。
無料トライアル申し込み - Q. クラウド版とパッケージ版、どちらで乗り換えるべきですか?
- A. 初期費用や管理の負担が少ないことから、多くの企業ではクラウド版への移行が主流となっていますが、利用人数やセキュリティポリシー、長期間で利用する場合にはパッケージ版の方がコストを抑えられる場合もあります。運用体制、セキュリティ要件、サーバー保守の負担を踏まえて選びましょう。
まとめ
流通・小売業でグループウェアを活用するには、店舗スタッフの端末環境や勤務形態に合わせ、情報共有の方法と運用ルールを整えることが大切です。
導入を検討する際は、まず「誰に、どの情報を、どのように届けたいか」を整理しましょう。そのうえで、日報や社内連絡など、日常的に使う業務から始め、現場の声を反映しながら活用範囲を広げると、無理のない運用につなげやすくなります。
グループウェアを選ぶ際は、機能だけでなく、店舗での使いやすさ、利用できる端末、管理やサポートの体制も確認しましょう。自社の課題と利用環境に合った仕組みを選び、継続的に運用を見直すことが、定着と業務改善のポイントです。
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グループウェアについてもっと詳しく
desknet's NEO 製品カタログ
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更新日:
執筆者:株式会社ネオジャパン 編集部
desknet's NEOのお役立ちコラムは、1999年の市場参入から25年以上のグループウェア開発・提供実績を持つネオジャパンが、業務改善に役立つビジネス用語の基礎知識、ツールの選び方などの情報をお届けします。グループウェア、そしてノーコードツールの開発・販売の知見をもとに、社内コミュニケーション改善、社内情報の共有といった課題解決に役立つ情報発信をいたします。