ワークフローとは何か?
システム導入のメリットや代表的な機能、選び方も解説

ワークフローとは何か?システム導入のメリットや代表的な機能、選び方も解説

新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて、テレワークを導入する企業が増えました。それにともなって、申請・承認・決裁処理がスムーズに進まない状況も見られるようになっています。

ここでは、ワークフローの概要や紙での申請・承認・決裁処理を行うデメリット、ワークフローシステムを導入するメリットを解説します。また、ワークフローシステムにあると便利な機能についても見ていきましょう。

申請・承認・決裁処理を定型化するワークフロー

ワークフローとは、各種申請や稟議における定型化可能な「一連の手続きや作業の流れ」のことです。例えば、業務に必要な物品を購入する場合、担当者が購入の申請書を作成し、上司や経理部などが承認・決裁するという流れが考えられます。

申請・承認・決裁処理を定型化するワークフロー

また、消耗品を購入する場合、起案者が申請書を作成して直属の上長が確認、それを総務部が承認・決裁して購入という流れもあります。外部に業務を委託するような場合も同様です。

このとき、扱う金額によっては、申請・承認・決裁の経路が異なることがあります。10万円以内の購入であれば直属の上長の承認・決裁だけでよかったところが、10万円超の購入になると役員の承認・決裁まで必要ということもあるでしょう。
各種申請や稟議を定型化するといっても、申請する内容によって、申請・承認・決裁経路が大きく異なる場合もあるのです。

紙で申請・承認・決裁処理を行うデメリット

これまで多くの企業では、申請用紙に申請内容を記載し、上長が承認した印として押印するという流れが一般的でした。しかし、紙ベースでの申請・承認・決裁処理には、下記のようにいくつかのデメリットがあります。

手書きでの記入や押印が必要

紙ベースでの申請・承認・決裁処理では、手書きで申請内容を記入し、申請者や承認者、決裁者の押印が必要になります。申請内容が間違っていれば、書き直しをしたり訂正印を使って修正をしたりしなければなりません。
また、テレワークを導入しているにもかかわらず、申請・承認・決裁処理を紙ベースで運用していたら、押印のためだけに出社しなければならない状況も発生します。

処理がスムーズに進まず状況が把握しにくい

紙ベースでの申請・承認・決裁処理の場合、処理がスムーズに進まないというデメリットがあります。
例えば、申請内容に応じた申請書が必要になるため、申請者はどの申請書を使うのかを調べ、誰に申請するのかを確認しなければなりませんが、申請書や承認者、決裁者が間違っていた場合、どの申請書を使うのかを調べるところからやり直す必要があります。承認者が不在にしている場合、承認されるまでに何日もかかってしまうかもしれません。結果、承認・決裁処理が停滞し、業務に影響が出てきてしまうこともあります。
また、承認・決裁処理がどの段階にあるのか、状況を把握しにくいこともデメリットといえるでしょう。

書類の保管と管理に手間がかかる

紙ベースで決裁まで完了したら、書類はすべて保管しておかなければなりません。あらゆる申請書類を保管するとなると、かなりのスペースが必要になります。管理には人手もかかり、必要な書類を確認しようとしても、探し出すのにも時間がかかってしまいます。
また、しっかり管理できていなければ、紛失してしまうこともあるかもしれません。管理に手間がかかるのは、紙ベースでの大きなデメリットといえるでしょう。

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ワークフローシステムとは

従来のような、紙によるワークフローのデメリットを解消するための方法のひとつとして、ワークフローシステムの導入があります。そもそもワークフローシステムとは何か、詳しく解説しましょう。

申請・承認・決裁といった一連の手続きをデジタル化し、自動化するためのシステムをワークフローシステムと呼びます。
申請から決裁の手続きをシステム上で運用することから、ワークフローシステムは電子承認システムと呼ばれることもあります。

従来のような紙によるワークフローでは、起案者が紙の申請書を作成した後、上長が承認、さらに部長や役員が最終的に決裁をするといったフローが一般的で、申請書を回覧板のように回していく必要がありました。
しかし、ワークフローシステムを導入すれば物理的に書類を回す必要がなくなり、ペーパーレスによる運用が可能となります。

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ワークフローシステムを導入するメリット

ワークフローシステムを導入することによって、従来のワークフローと比較してどのようなメリットがあるのでしょうか。

ワークフローにおける承認ルートの重要性と最適化のコツ」もあわせてご覧ください。

作業工数の削減

ワークフローシステムでは、申請書の作成と提出がスムーズに行えるというメリットがあります。
例えば、ワークフローシステム内に各申請書の書式をあらかじめ用意しておけば、入力や修正も簡単に行うことができます。また、書式ごとにあらかじめ申請・承認・決裁の経路を設定しておくことで、間違えずに申請することも可能です。
これにより、申請の工数を削減できることはもちろん、承認や決裁においてもミスによる手戻りがなくなり、作業工数の削減につながります。

業務の見える化

従来のワークフローでは、申請内容や種類ごとに承認ルートや承認者・決裁者が異なり、複雑な運用になりがちでした。
しかし、ワークフローシステムでは承認の種類に応じて自動的に承認ルートが選択されるため、承認時のミスやトラブル、承認漏れなどを未然に防ぐことができます。
さらに、どこまで承認・決裁が進んでいるか進捗を可視化できることもワークフローシステムのメリットといえるでしょう。

ワークフローそのものの進捗状況が可視化できれば、どこで承認や決裁が滞留しているのかが一目瞭然で把握できます。
万が一、承認や決裁を忘れている担当者がいれば、システム上で状況を確認し個別に催促をすることも可能です。
また、決裁が完了した後は各部門で精算や振り込みなどの処理をしなければならない場合も多いのですが、一度に大量の決裁がやってくると担当部門の業務負荷が一気に増大することもあります。
そこで、業務負荷を予測するために、これから依頼される予定の申請処理がどれくらいあるのかを確認できるワークフローシステムもあり、業務の可視化につながります。

申請・承認・決裁の迅速化

ワークフローシステムでは、紙での運用と異なり、基本的にはインターネット環境さえあれば、いつ、どこにいても申請・承認・決裁を行うことができます。申請書を郵送でやり取りする必要もなく、郵送にかかるコスト削減はもちろん、申請から決裁までの迅速化が図れるでしょう。
また、承認者側においては、自分宛てに申請書が届いた時点で、メールチャットで通知をしてくれるワークフローシステムも多く、承認・決裁の滞りを防ぐことにもつながります。
さらに、紙での運用と異なり、申請書を途中で紛失したり誤って破棄したりするような心配もありません。

内部統制の強化

ワークフローシステムを導入することで、内部統制を強化することもできます。内部統制とは、企業が従業員の不正を未然に防止し、適正に管理することを指します。
ワークフローシステムで申請・承認・決裁処理を行うと、承認や決裁の経路を簡単に変更できないため、承認者や決裁者が知らない間に申請が処理されていた、といった事態を防げます。
また、ワークフローシステム上で申請内容が変更された場合、そのログも残るため、内容の改ざんを防ぐことも可能です。さらに、誰がいつ何の申請を承認・決裁したかが記録され、情報の検索も容易になるため、透明性の確保にもつながります。

テレワークへの対応

クラウド型ワークフローシステムの場合、インターネットにつながる環境であれば、どこからでも申請・承認・決裁処理が行えるため、テレワークに対応できる点も大きなメリットです。紙ベースの申請・承認・決裁処理と異なり、押印のためだけに出社する必要もありません。

ワークフローシステムに備わっている機能

ワークフローシステムによって、さまざまな特徴的機能があります。
今回は、多くのシステムに共通して備わっている代表的な機能を4つ紹介しましょう。

申請書類のフォーマット化

申請内容によっても書類に記載すべき内容は異なるものです。
例えば、経費精算や出張申請、稟議書など、申請内容や種類に応じてそれぞれ専用の書式を用意しているケースがほとんどです。
従来の紙によるワークフローでは、ワードやエクセルなどを使ってフォーマットを一から作成する必要がありましたが、ワークフローシステムではシステム上で必要項目を選択するだけで簡単にフォーマットの作成や管理ができます。

申請・承認・決裁ルートの設定、自動化

申請内容に応じて変わるのは書類のフォーマットだけではありません。申請から承認、決裁までのルートも個別に設定しておかなければならず、申請の種類が増えるほど承認ルートも複雑化しがちです。
経費精算を例にとっても、例えば「〇万円までの精算は課長決裁」、「〇万円以上は部長決裁」とルールが決められている企業も少なくありません。
従来のワークフローの場合は、申請内容に合わせて正しい承認ルートを確認し、申請者や承認者が書類を回していかなければなりませんでした。しかし、ワークフローシステムを導入すれば、申請内容に合わせて自動的にルートが選択されるためミスが起こりづらくなります。

進捗状況の可視化

導入メリットでも挙げたとおり、どこまで承認・決裁が進んでいるか進捗状況を可視化できる機能がワークフローシステムには実装されています。
例えば、申請をしたものの承認や決裁が下りない場合、従来のワークフローでは、承認者や決裁者一人ひとりに状況を確認しなければならず手間と時間がかかっていました。
しかし、ワークフローシステムでは承認ルート上のどの部分で止まっているのかをリアルタイムで確認できます。
また、システムによっては、承認や決裁が滞留している場合、一定期間が経過したら承認者や決裁者に向けてアラートを発したり、個別にメッセージを送信したりする機能が備わっています。

データの一元化

ワークフローシステムでは、承認や決裁にかかわる案件の情報やデータをシステム上で一元的に管理できます。
従来のワークフローでは書類がベースとなるため、申請から承認、決裁までの途中で万が一書類が差し替わったり、内容の書き換えがあったりしても気付くことができません。
しかし、ワークフローシステムを導入すれば、データの改ざんや変更があった場合にはシステム上にログが残り、後から確認できる機能が備わっています。

ワークフローシステムの選び方

一口にワークフローシステムといってもさまざまな製品があるため、どれを選べばよいのか分からないという方も多いでしょう。
そこで、製品選びの際に押さえておくべき特に重要な4つのポイントを紹介します。

サポートの充実度

ワークフローシステムにはさまざまな機能や強みがあり、どのようなワークフローシステムが最適かは企業によって異なります。情報システム部門や総務部門などにシステム選定のノウハウをもった担当者がいれば安心ですが、そのような企業ばかりではありません。
そこで、システムの導入時には自社の業務内容やワークフローの中身を理解したうえで、最適な製品を選べるよう相談や導入支援を受けられると安心です。

ワークフローシステムによっては、専任の担当者による支援はもちろんのこと、導入時にトライアルを利用できる場合もあります。
さらに、導入したからといってそれで終わりではなく、運用時にもさまざまな問題やトラブルが見えてくることがあるでしょう。システムの導入時はもちろん、導入後も手厚いサポートを受けられるサービスを選ぶことが重要といえます。

操作性

ワークフローシステムは一部の管理者やエンジニア、マネージャーなどが使用するものではなく、全社員が利用するものです。
万が一、操作の方法が分かりづらく扱いにくいシステムを選んでしまうと、社員の利用率低下を招いたり、誤った申請や承認の発生、社員からの問い合わせが増加したりする可能性があるでしょう。その結果、非効率的な業務を招くおそれもあります。

そのため、誰にとっても使いやすく操作性に優れたシステムを選ぶことが大前提といえるのです。
具体的には、UIやUXが分かりやすく、マニュアルを細かく読み込まなくても直感的に操作できるものが理想的といえるでしょう。
ワークフローシステムの操作性や使いやすさは、カタログやウェブサイトに掲載されている仕様だけでは判断が難しいため、実際にトライアルなどを活用し社員に判断してもらうことが重要です。

パッケージ(オンプレミス)型かクラウド型か

ワークフローシステムは、大きく分けてパッケージ(オンプレミス)型クラウド型と呼ばれる2種類が存在します。
パッケージ(オンプレミス)型は小規模から大規模までさまざまな利用規模に対応でき、厳格な情報管理が求められる環境でも運用可能であるというメリットがあります。さらに、利用者の追加や削除、異動にともなう権限の変更なども管理者画面から簡単に行うこともできます。

一方、クラウド型の場合は、導入の手間やコストが最小限に抑えられ、運用管理も自社で行う必要がありません。特にシステム管理者が不在の企業にとっては、運用管理が大きな課題となる場合も多いことから、手軽に導入し運用にも手間をかけたくない場合にはクラウド型がおすすめといえるでしょう。

システム連携のしやすさ

ワークフローシステムにほかのシステムと連携することができる機能があると、業務をより効率化することができます。
例えば、文書管理システムと連携することで、決済済みの申請を自動的に文書管理システムに保管できるようになると、ファイル整理の手間がかからず、必要なときにすぐ検索して申請を見つけられます。また、社員名簿や顧客情報などのデータと連携して、申請書に紐づけることができると便利でしょう。

ほかのシステムとの連携を考えると、ワークフローシステムをはじめ、さまざまな機能がひとつにまとまっているグループウェアを導入するのがおすすめです。インターフェースも統一され、データの連携もスムーズになります。

ワークフローシステムの導入事例

ワークフローシステムの導入を検討している企業のなかには、他社の事例を参考にしておきたいと考えることもあるでしょう。そこで、ワークフローシステムを導入し成果を挙げている2社の事例を紹介します。

Webメール・スケジュールから活用範囲を徐々に拡大
リリカラ株式会社様

リリカラ株式会社様の導入事例を見る

インテリア製品の製造および卸売業を手掛けるリリカラ株式会社様では、ワークフローシステムの黎明期から導入を開始しました。当初はWebメールスケジュールといった機能を中心に活用していましたが、その後、回覧・レポート機能ワークフロー機能などにまで、活用範囲を徐々に拡大。
導入から20年以上経った今では、全国36拠点、約700ユーザーにものぼる情報共有の基盤として定着しています。
システムの選定にあたっては、複数社の製品を試用しながら検討し、運用のしやすさからクラウド型のシステムを採用することに決定しました。
リリカラ株式会社様の導入事例を見る

組織全体の情報共有・さまざまな申請手続きを迅速化
株式会社松屋様

株式会社松屋様の導入事例を見る

百貨店や通信販売などを手掛ける創業150年以上の老舗企業、株式会社松屋様では、組織全体の情報共有を迅速化するとともに、さまざまな申請手続きの迅速化を目的にワークフローシステムを導入しました。
当初は社員間でのスケジュール共有回覧・レポート機能を中心に活用していたものの、業務の円滑化とペーパーレス化を本格化させるためにワークフロー機能を積極的に活用。
システム導入と同時に、それまで運用してきた申請書類の書式やフローそのものにムダがなかったかを再検証する契機にもなり、業務の大幅な効率化を実現しています。
システムの導入にあたっては、Webや製品資料などをもとに複数社の製品をピックアップし、最終的に2つの製品に絞り込みトライアルを実施。人事部と経営企画部が導入担当として比較検討し、最終的に4ヶ月をかけてクラウド型のシステムを導入しました。
株式会社松屋様の導入事例を見る

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スムーズな申請・承認・決裁処理や内部統制の強化には、ワークフローシステムが役立ちます。さらに便利に使いたいのであれば、ほかの機能との連携もスムーズなグループウェアを利用するといいでしょう。

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