金融機関では、業務のデジタル化やペーパーレス化、情報共有の高度化を目的としてDXへの取り組みが加速しています。一方で、紙文化や複雑な承認フロー、厳格なセキュリティ要件が課題となり、思うようにDXが進まないケースも少なくありません。
こうした課題解決の手段として注目されているのがグループウェアです。本記事では、金融機関におけるグループウェア「desknet's NEO」の活用事例をもとに、DX成功のポイントを解説します。
この記事でわかること
- 金融機関のDXが進みにくい原因は主に「紙・押印文化の根強さ」「拠点間の情報に時間がかかる」「セキュリティ・コンプライアンス要件が厳しい」の3つがあること
- 金融機関のDX成功要因は「現場主導の内製化」「使いやすさによる全社浸透」「成果の数値化」の3点に集約されること
- IT部門がすべてを抱え込まず、現場が自ら業務改善を進められる体制をつくることが、DXを止めずに継続させるカギであること
- 削減時間やコストを定量的に示せるかどうかが、経営層の理解と継続的な投資判断を引き出す分かれ目になること
- グループウェアが多機能であることよりも、それぞれの機能が連携し動く操作性が全社的な活用につながること
金融機関DX成功のポイントまとめ
- 現場主導で業務改善を進められる仕組みを作る
- 直感的に使えるグループウェアを選定する
- 効果を時間・コストで定量化する
- 全拠点で情報共有できる環境を整備する
- ペーパーレス化とワークフロー整備を同時に進める
目次
金融機関のDX推進でよくある課題とは
銀行や信用金庫では、一般企業以上にDXのハードルが高いといわれます。主な理由は次の3つです。
- 紙・押印文化の根強さ:稟議書や決裁文書など、紙ベースの業務プロセスが多く残っている
- 支店網が広く、拠点間の情報共有に時間がかかる:本部と営業店、営業店同士のコミュニケーションが電話・メールに依存しがち
- セキュリティ・コンプライアンス要件が厳しい:機密性の高い情報を扱うため、システム選定や運用に慎重にならざるを得ない
こうした制約がありながらも、着実に成果を出している金融機関には共通点があります。それが、次に紹介する3つの成功要因です。
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「失敗例」から学ぶノーコードツール導入ガイド
業務のデジタル化やDXに活用できるノーコードツールについて、導入時に起こりやすい失敗例と、現場に定着させるためのポイントを解説した資料です。
金融機関DX事例① 山陰合同銀行に学ぶ現場主導の業務改善
※掲載データは各金融機関の公開導入事例をもとに作成しています。
株式会社山陰合同銀行(5,000ユーザー・パッケージ版)は、ノーコード開発ツール「AppSuite」を中核にグループウェアを刷新し、現場主導で累計420件のアプリをリリース、約4万5,000時間の業務削減を実現しました。
背景にあったのは、大規模な基幹システム移行の間、現場からのシステム改善要望にIT部門の手が回らなくなっていたという課題です。同行はこれを機に、IT部門だけでなく現場自身が改善を進められる「システム開発の民主化」を経営方針に掲げました。
具体的な取り組みとしては、行内のあらゆる問い合わせを一元化した「照会くん」で2年間に約1万5,000件の照会を集約し、電話対応にかかっていた約1,000時間を削減。さらに、アプリ開発の起案から相談会予約、リリース後の管理までを一元管理する仕組みを構築し、管理されない「野良アプリ」を防ぎながら現場の開発力を育てました。2025年下期には、新規アプリ案件の約8割が現場主導で開発されるまでになっています。
ポイント:IT部門がすべてを抱え込むのではなく、現場が自ら小さな改善を積み重ねられる基盤と支援体制を用意したことが、継続的なDXの原動力になっています。
金融機関DX事例② 宮崎銀行に学ぶグループウェア定着のポイント
※掲載データは各金融機関の公開導入事例をもとに作成しています。
株式会社宮崎銀行(2,200ユーザー・パッケージ版)が重視したのは、機能の多さよりも「現場が直感的に使えるかどうか」でした。
導入前は、会議のスケジュール調整や来訪者対応を電話・メールで行っており、担当者が不在であればその都度折り返しが必要になるなど、日常的な業務負荷が積み重なっていました。同行は旧製品を含む4製品を比較する中で、スケジュール・設備予約・来訪者管理が連動して動く操作性を高く評価し、導入を決定しています。
導入後は、参加者のスケジュールを一覧確認しながら会議を設定すると、そのまま会議室予約や来訪者情報の登録まで連携して完了する仕組みが定着しました。あわせて、紙の稟議・回覧をワークフローや回覧・レポート機能に置き換えたことで、決裁のスピードとペーパーレス化も進みました。特徴的なのは、当初想定していなかった業務についても、ノーコードツールを使って現場の担当者自身が既存の業務フローを再現できた点です。
ポイント:どれだけ多機能でも、現場が迷わず使えなければ定着しません。業務が自然に連携する操作性を重視したことが、全社的な活用につながりました。
金融機関DX事例③ 北陸銀行に学ぶペーパーレス化とコスト削減
※掲載データは各金融機関の公開導入事例をもとに作成しています。
株式会社北陸銀行(5,000ユーザー・パッケージ版)は、グループウェア導入によってペーパーレス化だけで年間1億円のコスト削減という明確な成果を打ち出しています。
同行が課題としていたのは、稟議決裁のための紙の書類が膨大で、決裁を待つ間の保管・検索作業に多くの時間を費やしていたことです。ワークフロー機能で約300種類の稟議フォーマットをシステム化し、決裁後の書類も文書管理機能に自動保存される仕組みに変えたことで、紙の枚数を年間3割削減しました。
さらに、営業店からの問い合わせ対応を電子会議室に集約したことで、蓄積されたやり取りがそのままマニュアルとして機能するようになり、本部への電話対応も大幅に減少。ToDo機能を使った業務引き継ぎの見える化など、現場発の活用アイデアも生まれています。
ポイント:削減時間やコストといった定量的な成果を示せたことが、経営層の理解と全社的な取り組みの継続につながっています。
ペーパーレスについてのおすすめ資料
3社の事例比較
| 項目 | 山陰合同銀行 | 宮崎銀行 | 北陸銀行 |
|---|---|---|---|
| 利用規模 | 5,000ユーザー | 2,200ユーザー | 5,000ユーザー |
| 主な成功要因 | 現場主導の内製化 | 業務連携と使いやすさ | 成果の数値化 |
| 象徴的な成果 | 累計420アプリ、約4.5万時間削減 | スケジュール調整業務の大幅削減 | 年間1億円のコスト削減 |
| 活用機能 | AppSuite、ChatLuck、ポータル | スケジュール、設備予約、来訪者管理 | ワークフロー、文書管理、電子会議室 |
自社のDXに置き換える際の3つのチェックポイント
3つの事例に共通するのは、いずれも「ツールを入れて終わり」にせず、運用を根づかせる仕組みまで設計している点です。自社で検討する際は、次の観点を意識すると成功確度が上がります。
- 現場が改善を続けられる体制はあるか:IT部門だけに開発・改善が集中しない仕組みを用意できているか
- グループウェアで行う業務同士が自然に連携しているか:一つの操作が次の業務にスムーズにつながる設計になっているか
- 成果を数字で語れる状態にしているか:削減時間やコストを定点観測し、経営層に説明できる材料があるか
よくある質問
- Q. 金融機関がグループウェアを導入する主な目的は何ですか?
- A. 業務効率化、情報共有の迅速化、ペーパーレス化、ワークフロー電子化、内部統制強化などが主な目的です。
- Q. 銀行や信用金庫でよく活用されるグループウェア機能は?
- A. ワークフロー、スケジュール管理、文書管理、インフォメーション、チャット、設備予約などです。
- Q. 金融機関におけるグループウェア導入の成功要因は?
- A. 現場での利用シーンを考慮した運用設計、経営層の支援、導入効果の継続的な測定が重要です。
- Q. 金融機関でもクラウド型グループウェアは導入できますか?
- A. セキュリティ要件からオンプレミス(パッケージ版)を選ぶ金融機関も多いですが、クラウド版を採用している事例もあります。自社のセキュリティポリシーに応じて利用形態を選択することが重要です。
- Q. 導入までにどのくらいの期間がかかりますか?
- A. 事例では6カ月〜1年程度で本稼働に至っています。既存製品との並行運用期間を設けるなど、段階的な移行を行っている点が共通しています。
- Q. 金融機関でノーコードツールは使いこなせますか?
- A. 山陰合同銀行や宮崎銀行の事例では、プログラミング未経験の担当者が数カ月でアプリを完成させています。研修や相談会などの伴走支援体制を整えることで、非IT部門でも活用が進みやすくなります。AppSuiteを利用中の金融機関ユーザーの声を集めたレポートを公開中です。
まとめ
金融機関のDX成功事例を見ると、単にグループウェアを導入するだけではなく、現場主導の改善文化づくりや情報共有基盤の整備、効果測定まで含めて取り組んでいる点が共通しています。
desknet's NEOは、ワークフロー、文書管理、スケジュール管理、ノーコード開発機能を備え、金融機関のDX推進を支援しています。
銀行・信用金庫・信用組合などの導入事例をまとめた資料をご用意していますので、グループウェア選定やDX推進の参考としてぜひご活用ください。
※本記事で紹介している内容は各金融機関の公開事例に基づいています。導入効果は環境や運用体制によって異なる場合があります。
デスクネッツ ネオについてもっと詳しく
desknet's NEO 製品カタログ
情報共有、業務の改善・デジタル化、セキュリティ管理などの社内の課題を解決できるグループウェア desknet's NEOの製品ご案内資料です。
更新日:
執筆者:株式会社ネオジャパン 編集部
desknet's NEOのお役立ちコラムは、1999年の市場参入から25年以上のグループウェア開発・提供実績を持つネオジャパンが、業務改善に役立つビジネス用語の基礎知識、ツールの選び方などの情報をお届けします。グループウェア、そしてノーコードツールの開発・販売の知見をもとに、社内コミュニケーション改善、社内情報の共有といった課題解決に役立つ情報発信をいたします。