ノーコードツールで何ができる?
自社専用の業務アプリを内製する時代になる
ノーコードツールやローコードツールを利用した開発が話題になっています。これらはWeb開発に使われるイメージですが、最近は業務アプリの開発にもよく使われているものです。
ノーコードツールの登場で、これまでベンダー頼みだった業務アプリの開発が内製できるようになり、より自社の業務に合ったアプリを、制作費用と時間を抑えながら作れるようになりました。これは、単なるデジタル化の推進からDXの推進にもつながる流れになると期待されています。
ここでは、ノーコードツールとはどんなものなのか、目的別の選び方やメリット・デメリットについて、またノーコードツールとDXの関係について紹介します。
ノーコードツールとは
ノーコードツールとは、プログラミングなしでアプリを開発したりシステムを構築したりできる開発ツールです。当初はWebサイトの作成によく使われていましたが、その後さまざまなツールが登場し、現在では業務アプリやスマホアプリの開発にも使われています。
ノーコードとは
ノーコード(No Code)とは、コーディングなしにシステム開発する技術のことです。
コーディングとはいわゆるプログラミングのことで、さまざまなプログラミング言語でコード(プログラム)を書き、システムを構築することを指します。
ノーコードは生産性向上を目的として開発されたものです。ノーコードで業務システムを作成できれば、プログラミングのスキルを持たないユーザーでもシステム構築が可能になるとして注目されています。
GAFA(Google、Apple、Facebook(Meta)、Amazonの4社)でもノーコード開発を主導しており、これからのアプリケーション開発の主流になるともいわれています。
ローコードとは
ローコード(Low Code)とは、ノーコードと似ています。「プログラミングなし(No)」ではなく、「なるべくソースコードを書かない」「必要最低限のソースコードを書くだけ」でシステム開発をする手法です。ローコードによる開発ツールを「ローコードツール」と呼びます。
ノーコードとは異なり、一部コードを書く必要があるため、ある程度のプログラミングスキルが必要になります。しかしその分柔軟性や拡張性が高く、より幅広いシステム開発が可能で、他社ツールとの連携も可能です。
従来のように全面的にコーディングで開発する手法は「フルコード(Full Code)」と言います。
この記事では、業務アプリ開発用のノーコードツールについて説明します。
業務アプリ作成についてのおすすめ資料

業務アプリ作成ツールは誰でも使えるのか?
開発“無”経験者が試してみた
IT専門技術を持たないアプリ開発の素人でも現場業務の課題を解決するアプリを作ることができるのか、キーマンズネット編集部による体験レポート。
ノーコードツールの機能と選び方
ノーコードツールの多くは、コードを書く代わりにテンプレートやパーツを組み合わせて開発していきます。また、業務アプリ開発用のツールは、保守運用時のプラットフォームとしても使用されるものです。
機能
ここでは、ネオジャパン社のAppSuite(アップスイート)を例に、業務アプリ用ノーコードツールの機能を紹介します。
業務アプリを作る
自由なレイアウトで業務アプリを作成できます。ゼロから作成するだけでなく、既存のアプリや提供されているテンプレートをベースにしたり、業務台帳や申請用紙を取り込んでシステム化することも可能です。
業務アプリの公開・操作
作成したアプリを社内に展開し、編集や検索などの操作をツール上で行うことができます。海外拠点がある場合は、グローバル対応も可能です。
集計・共有・印刷
蓄積されたデータを集計・分析し、共有できます。グラフ化して会議などに利用したり、帳票として印刷することも可能です。
通知
データの登録、編集などに応じてさまざまなメール通知を行うことができます。これを応用してタスク管理や品質検査を行うことも可能です。
データ連携
社内ポータルとして利用できるグループウェアdesknet's NEO(デスクネッツ ネオ)や他の外部ツールと連携し、データの入出力、編集、検索などが可能です。
業務アプリの運用管理
作成したアプリケーションの運用管理を行います。アクセス権の管理や、アクセスログの保存などが可能です。
ノーコードツールの選び方
ノーコードツールを選ぶときには、次のようなポイントがあります。
利用目的・用途に合わせる
ノーコードツールの多くは、一般的なWebサイト作成、ECサイト作成、業務アプリケーション作成、スマホアプリ作成など、用途が限定されています。また、目的に合わせて機能も異なるものです。
目的に合ったツール、必要な機能を持つツールを選びましょう。
ツールでできることの事前調査
中には有料のプラグインを多数付け加える必要があったり、外部委託しなければやりたいことが実現できないといったケースもあります。自社が実現したいことと、ツールの機能をしっかりと調査しておく必要があります。
自社のレベルに合わせる
ノーコードツールではコーディングの必要はありません。しかし、操作するにはある程度プログラミングの知識が必要なツールもあります。自社スタッフのレベルに合わせたツールを選びましょう。
日本語対応かどうか
ノーコードツールはまだ国産のものが少なく、日本語対応していないものもあります。表記やマニュアル、サポートに日本語が必要であれば、日本語に対応したものを選びましょう。
対応デバイスに合わせる
スマートフォンやタブレットなどPC以外の端末で利用する場合は、それに対応したツールを選びましょう。
料金プランは予算内か
ノーコードツールの料金はさまざまなので、あらかじめ予算を決めておく必要があります。
サポートはあるか
アプリ作成中や運用中にどの程度サポートが受けられるか、マニュアルはどの程度詳しいかなどを確認しておきましょう。
多くのツールは無料トライアルが可能なので、あらかじめ試用してみることをおすすめします。
ノーコードツールのメリットと注意点
ノーコードツールによるシステムの内製には、次のようなメリットと注意点があります。
メリット
- ・実際にプログラミングを行うことはないので、プログラミングのスキルが少なくても、システムを作成できます。
- ・画面イメージを見ながら開発できるので、イメージどおりのシステムを開発できます。
- ・システムを外注しないので、開発時間を大きく削減できます。開発時にもテンプレートや既存アプリ、帳票を利用でき、効率的な開発が可能です。
- ・プログラミングが必要ないので、現場でもシステム開発を行うことができます。これにより、非IT部門の人材をIT人材として活用できます。
- ・開発だけでなく、修正や改善もツール上で行うことができるので、外注する必要がありません。
注意点
- ・テンプレートやパーツを使って開発するため、自由度や拡張性が低くなります。テンプレートやパーツのないものが作りにくいからです。
- ・あらかじめ提供されているテンプレートから機能を選ぶため、大規模なシステムの開発や複雑なシステムの開発には向いていません。
- ・アプリケーションの作成も修正もツール上で行うため、ツールへの依存度が高くなります。ツールにない機能は使えず、ツールのサービスが終了すれば使用できなくなります。
- ・ノーコードツールはまだ海外製が多いため、英語のツールが多いのが現状です。
ノーコードツールの導入事例
AppSuiteによるシステム内製の事例を紹介します。
株式会社 國森様
國森様は、創業50年以上の船舶用部品商社です。社内には古くからの技術や人材の経験・能力などさまざまなノウハウが蓄積されていますが、業務情報は紙ベースだったため、今ひとつ有効活用しきれていませんでした。
そこで2021年よりAppSuiteを利用して事故返品届、荷受けリスト、新規取引決裁書などのアプリを作成しました。文書で管理していたデータを電子化して集計・分析でき、有益化できると好評です。
次は、グループ別に損益作成の自動化・可視化・共有化を実現する「部門P/L」アプリの作成に取り組んでいます。部署ごとに業務を経営的視点で検証・評価できる仕組みづくりが目標です。
株式会社 國森様の導入事例を見る
株式会社ジェイエスピー様
ソフトウェア開発を行うジェイエスピー様では、ツールの更新終了を契機に、情報共有の環境の見直しを行いました。その一環として、AppSuiteによる受発注管理のシステム化を行っています。
これまでは表計算ソフトを利用していた部分をシステム化するために、ERPの導入よりもコストや手間がかからず実現性の高い手法として、AppSuiteが選ばれました。ノーコードで設定を行い、運用しながら改善していけるというのがメリットです。
現在は、協力会社やパートナー企業との受発注のフォーマットとして定着しています。
株式会社ジェイエスピー様の導入事例を見る
ノーコードツールはDX推進にも貢献する
コロナ禍やそれに伴うテレワーク増加で、ペーパーレス化とデジタル活用、さらに、自社に合ったシステム構築が急務になっています。そこでノーコードツールを活用すれば、外注しなくても自社内でカスタマイズしたアプリ開発が可能です。これはIT人材不足を補うことにもつながります。
またノーコードツールなら自社に合ったシステムを構築でき、業務のデジタル化をスムーズに進めることが可能です。これはシステムのブラックボックス化を防ぎ、結果的にDX推進につながります。
ノーコードツールを使った開発については「市民開発」とも言います。
市民開発については「市民開発とは?ベンダーなしにシステム開発ができるようになる?」を参考にしてください。
ノーコードツールについてのおすすめ資料

ノーコードで脱エクセル・業務効率化を実現。AppSuiteユーザー事例集
ユーザー様がAppSuiteをどのように活用しているのかを取材したレポートシリーズ。 ノーコードで脱エクセル・業務効率化を実現したお客様の事例を紹介資料です。
まとめ:ノーコード開発ではツールの選び方が重要
ノーコードという考え方とツールにより、ユーザーの側からも、これまでプログラミングの専門家に任せていたシステム構築に関われるようになりました。それによって、開発スピードやコスト、IT人材不足など、いくつもの課題を解決し、全社のデジタル化を行うことが可能になります。
しかしノーコードツールによる開発には制約もあり、完全に思いどおりのシステムを構築できるわけではありません。開発したいシステムやアプリケーションに合ったノーコードツールを選ぶ必要があります。
また、ノーコードツールを利用しても、社内の人材だけで開発ができないこともあるので、サポート体制のしっかりしたツールを選ぶことが重要です。
そこで、ネオジャパンの「業務アプリ作成ツール AppSuite」をおすすめします。業務アプリ開発用のノーコードツールで、さまざまな業務アプリを開発できます。またグループウェア「desknet's NEO」と連携することで、さらに多様な機能を実現できます。
「業務アプリ作成ツール AppSuite」については、次のEbookも参考にしてください。
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