日常点検とは?点検項目を徹底解説!

日常点検とは

日常点検とは

日常点検は、設備や機器の安全性と性能を維持するための基本的な作業であり、特にビジネスにおいて必要不可欠なプロセスです。この点検は、小さな異常を早期に発見し、大きな故障や事故を未然に防ぐ効果があります。油圧系の液体やエンジンオイル、冷却システムなどの重要な要素を定期的に確認することで、重大な事故や思わぬ修理費を抑えることができます。日常点検を怠ると、重要なシステムの不調やトラブルなど、深刻な問題が発生する可能性があり、結果的にビジネスに悪影響を及ぼしかねません。

このコラムでは、具体的な点検項目や実施頻度、点検を忘れた場合に生じるリスクなどについても詳しく解説します。初心者の方にも理解しやすいようにポイントを整理し、しっかりとした知識を身につけられる内容となっています。安全かつ効率的な運用を実現するために、ぜひ参考にしてください。

日常点検整備の概要

日常点検整備の概要としては、エンジンルーム内のオイル量チェックや冷却水の確認、タイヤの空気圧や外観の確認など、ユーザー本人が比較的簡単に実施できる項目を対象とします。これらは車両の使用前や定期的なタイミングで行うことが推奨されており、異常が見つかった際は早めの整備や専門家への相談が望ましいです。

日常点検整備を実施する目的

日常点検整備の主な目的は、運行時の不測の事態を未然に防ぐことです。日々の点検で小さな異常を発見し、対処することで大きなトラブルに発展するリスクを減らします。また、定期的にメンテナンスを行うことで車全体のコンディションを整え、燃費や走行性能を維持する役割も重要です。

日常点検整備は義務

道路運送車両法によって、車を所有する全てのユーザーに日常点検整備が義務付けられています。これは安全性確保だけでなく、車両の公害防止や保有コスト削減を目的として定められているものです。正しい日常点検を行うことは、法律上の責任を果たすだけでなく、ドライバー自身や周囲の人々を事故から守ることにつながります。

日常点検整備の実施頻度

日常点検整備の実施頻度

日常点検整備はどのくらいの頻度で行えばよいのでしょうか。一般的な目安と、必要に応じて点検すべきタイミングについて紹介します。
車の使用状況によって実施頻度は変わりますが、初歩的な目安としては月に1回程度が推奨されます。特に毎日の通勤や長距離運転が多い場合、車に負担がかかりやすいので、もう少し頻繁に確認するのが安心です。点検記録を付けておくことで、どの時期に何を行ったのかを把握しやすくなり、点検漏れを防ぐことにもつながります。
季節の変わり目や急激な気温変化の際も要注意です。真夏や真冬など極端な気候下では、冷却水やバッテリ液の消耗が早くなり、タイヤの空気圧やオイルの状態に影響が出ることもあります。そのため、定期点検以上にこまめなチェックを行うことで、異常検知のタイミングを逃さないようにすることが大切です。

日常点検整備の頻度は最低月1回が適切

自家用車の一般ユーザーの場合、最低でも月1回の点検が良いとされています。月に1回程度であれば、休日などに時間を取って実施しやすく、異常があれば早期に見つけることが可能です。長く同じ車に乗り続ける上でも、定期的なチェックは大切な投資と言えるでしょう

月1回以外で日常点検整備をするべきタイミング

月1回の定期点検以外でも、長距離運転や悪天候の後など、車に普段以上の負荷がかかったタイミングでは追加の点検を行うのが望ましいです。たとえば高速道路を利用したドライブの後は、タイヤの空気圧やブレーキの具合を念入りに確認しましょう。こうしたタイミングでこまめに点検を行うことで、重大な故障を未然に防ぐことができます。

自家用自動車の日常点検整備で確認する15項目

自家用車では、特に以下の15項目をチェックすることが推奨されています。安全面だけでなく、車の状態維持にも関わるため、抜け漏れなく点検を行いましょう。
自家用車の点検項目は多岐にわたりますが、その代表的なものはブレーキ液や冷却水、エンジンオイル、タイヤの状態などの重要保安要素です。これらを漏れなくチェックすることで、ドライブ中の不測の事態を大幅に軽減することができます。慣れないうちは一つひとつチェックリストを作成し、確認しながら進めると効率的です。
これら15項目の点検は、いずれも専門家に依頼せず個人でもある程度実施可能です。必要な工具や点検方法を事前に調べておき、無理のない範囲で確実に行いましょう。もし不安がある場合には、整備工場やディーラーでの点検を追加し、プロの目で見てもらうことが大切です。

1.ブレーキ液の量

ブレーキ液の量は、リザーバータンクのMAXとMINの間に収まっているかを確認します。量が極端に減っている場合や色が濃く変色している場合は、ブレーキ系統の不調を示している可能性があります。異常を感じたらすぐに専門家に相談するようにしましょう。

2.冷却水の量

冷却水はラジエーターやサブタンク内の液量をチェックし、不足時は推奨されるクーラントを補充します。暑い季節に冷却水が不足するとオーバーヒートにつながり、エンジンに深刻なダメージを与えることもあるので要注意です。こまめな補充と状態確認でトラブルを回避しましょう。

3.エンジン・オイルの量

エンジンオイルはゲージを使って適正量が保たれているか、汚れや劣化の度合いもチェックします。オイルが不足しているとエンジン内部の金属摩耗を招き、最悪の場合はエンジンが焼き付く事態にもなりかねません。定期的なオイル交換と併せて、量と質の両面を確認することが大切です。

4.バッテリ液の量

バッテリ液が規定量を下回っていないか、バッテリ本体に腐食や亀裂がないかを確認します。バッテリ液が減りすぎると充電効率が悪くなり、突然のエンジン始動不可につながる可能性があります。必要時にはメーカー推奨の精製水を補充し、ターミナル部分のサビ取りなども行うとより安心です。

5.ウインド・ウォッシャー液の量

ウォッシャー液は視界の確保に欠かせない要素であり、悪天候時や汚れの多い道路を走行する際にとても重要です。タンク内の量を確認し、不足している場合は必ず補充しましょう。ウォッシャー液がないとフロントガラスの汚れを除去できず、運転の安全性が大きく損なわれます。

6.ランプ類の点灯・点滅

ヘッドライトやブレーキランプ、ウインカーなど、主要なランプ類が正常に点灯・点滅するかをチェックします。球切れや配線不良があると後続車や対向車に自車の動きを的確に伝えられず、事故リスクが上がります。夜間や悪天候時の走行にも大きく関わるため、定期的な確認が欠かせません。

7.タイヤの亀裂や損傷の有無

タイヤのサイドウォールやトレッド面に切れ込みや膨らみ、ひび割れがないかを確認します。こうしたダメージが進行するとパンクやバーストを起こしやすく、大変危険です。日常点検時だけでなく、長距離運転の前後など頻繁に確認しておくと安心です。

8.タイヤの空気圧

タイヤの空気圧は燃費や乗り心地だけでなく、タイヤの寿命にも大きな影響を与えます。適正値より低いまま走行が続くと、タイヤの偏摩耗や燃費悪化を招く場合があります。定期的に測定し、メーカー指定の空気圧に調整することが快適かつ安心なドライブを支えるポイントです。

9.タイヤの溝の深さ

溝の深さはタイヤの排水性やグリップ力に直結するため、スリップサインが出ていないかも含めて確認します。溝が浅いまま走行すると雨天時のハイドロプレーニング現象が起きやすくなり、大きな事故の原因になりかねません。早めの交換を心掛けて、安全性を維持しましょう。

10.エンジンのかかり具合・異音

エンジンを始動する際のかかり具合に違和感がないか、またアイドリング中を含めて異音がしないかを確認します。エンジンがかかりにくいのはバッテリ不足や燃料系統のトラブルが原因の場合があり、早めに点検することで故障を未然に防げます。日頃から車の調子に注意を払って、小さなサインを見逃さないようにしましょう。

11.ウインド・ウォッシャー液の噴射状態

ウインド・ウォッシャー液の噴射状態は、クリアな視界を維持するために重要なチェックポイントです。ウォッシャーノズルから適切に液体が均等に噴射されているか確認しましょう。噴射が不十分だったり、噴射方向が不正確な場合、ノズルの詰まりやホースの劣化が原因である可能性があります。詰まりがある場合はノズルを清掃し、ホースが劣化している場合は交換を考慮してください。

12.ワイパーの拭き取り能力

ワイパーの拭き取り性能は、雨や雪の日における視界確保に非常に重要です。ワイパーブレードが劣化すると、ガラスに線が残ったり、拭き取りが不完全になったりします。ワイパーブレードのゴムがひび割れていたり、硬化しているなら交換が必要です。また、ワイパーの動作がスムーズ(高速・低速ともに)であるかも確認し、異常があれば専門家に点検や修理を依頼しましょう。

13.ブレーキの踏み残りしろと効き具合

ブレーキの踏み残りしろと効き具合の確認は、車の安全性を確保するうえで極めて重要です。踏み残りしろとは、ブレーキペダルを完全に踏み込んだ際のペダルと床との間の隙間を指します。この隙間が不適切だと、ブレーキの効きが悪くなり、緊急時の制動距離が長くなる危険があります。適切な踏み残りしろは、ペダルを踏んだ際に堅実な抵抗を感じる位置です。走行中にもペダルを踏み、ブレーキの反応と制動力を確認します。効きが悪いと感じた場合は、ブレーキパッド、ディスク、ブレーキ液を点検し、必要に応じて補充や交換を行ってください。

14.駐車ブレーキの引きしろ

駐車ブレーキの引きしろは、車を安全に停車させるために確認が不可欠な項目です。引きしろが多すぎると、駐車ブレーキが正常に作動せず、車が動き出す可能性があります。点検方法は、駐車ブレーキを引いて、その動きと引きしろの範囲を確認します(ペダル式の場合は踏みしろを確認)。適切な引きしろとは、レバーがしっかり固定され、車が動かない状態を指します。引きしろが適切でない場合は、ブレーキワイヤーの調整が必要です。さらに、傾斜地で駐車ブレーキの効き具合を試し、車が確実に固定されているか確認しましょう。

15.エンジンの低速・加速状態

エンジンの低速や加速状態の点検は、車の性能や燃費に直接影響します。エンジンがスムーズに始動し、アイドリング時に安定しているかを確認しましょう。また、加速時の反応や異音がないかもチェックのポイントです。点検方法としては、エンジンを始動し、アイドリング時の回転数や音を観察。さらに、走行中にアクセルを踏み込み、エンジンの反応と加速の状態を確認します。異常を感じた場合、燃料システムや点火プラグ、エアフィルターに問題がある可能性が考えられます。これらの異常はエンジンの性能低下や予期しない故障、燃費悪化につながりますので、早めに対応することが重要です。

事業用自動車における日常点検整備

事業用自動車における日常点検整備

運行の安全を最優先とする事業用自動車では、日常点検整備が一層重要です。
事業用自動車は長時間運行や頻繁な走行が当たり前なので、車にかかる負荷が自家用車と比べて大きい傾向があります。そのため、点検を怠ると日常的な使用の中で思わぬトラブルが起こりやすく、安全確保や業務の継続に支障をきたすリスクも高まります。特に貨物運搬や乗客輸送など、社会的責任が大きい場合は点検の徹底が求められます。
多くのドライバーや関係者が車両をシェアして使用するケースもあるため、情報共有と連携が鍵となります。小さな異常を感じた際は速やかに運行管理者や整備担当者と共有し、早期に対応することがトラブル防止につながります。

事業用自動車における日常点検整備の実施頻度

事業用自動車は業務が始まる前、あるいは運行ごとに点検を行うのが基本です。頻繁な点検によってブラッシュアップされた情報を常に共有することで、安全対策だけでなく車両の運行効率向上にもつなげられます。特にトラックやバスなどの大型車両はブレーキやタイヤへの負荷が大きいため、入念なチェックが欠かせません。

事業用自動車の日常点検整備で確認する項目

自家用車と同様に、ブレーキ液やエンジンオイル、タイヤの状態など基本的な項目はしっかり確認します。しかし、事業用車両では重量物を積むことも多いため、空気圧管理やサスペンション、ボディの損傷など、負荷に合わせた追加チェックが必要です。合わせてドライバー間での情報共有や運行管理者との連携を強化することで、安全と効率の両立を目指します。

日常点検整備を怠ることによるリスク

日常点検整備を怠ることによるリスク

日常点検整備を怠ると、予期しないトラブルが発生し、安全性や信頼性が損なわれる可能性があります。その具体的なリスクについて考えてみましょう。

日常点検を怠ったまま車両を使用し続けると、車両の劣化状態を把握することができず、突然のバッテリー切れやブレーキの故障といった重大なトラブルを引き起こす恐れがあります。これらのトラブルは、運転者自身や同乗者の安全を脅かすだけでなく、他の車両や歩行者にも危険を及ぼす可能性があります。その結果、大きな損害賠償や社会的な信用の喪失につながり、車両管理は非常に重要です。

さらに、業務で使用する車両の場合、運行停止によるビジネス上の損失や取引先からの信頼低下など、企業活動に直接的な影響を及ぼす可能性もあります。また、法的な罰則を受けるリスクも考慮する必要があるため、メンテナンスを軽視することは極めて危険です。
ここからは、具体的なリスク要因について一つずつ見ていきましょう。

バッテリが上がる

バッテリ液量や充電状態を定期的にチェックしないと、エンジン始動に必要な電力が不足し、突然エンジンがかからなくなるケースがあります。特に寒冷地や冬場はバッテリ性能が低下しやすいため、注意が必要です。前触れもなく発生することが多いトラブルなので、日常点検で予防策を徹底しましょう。

タイヤがパンクする

空気圧が著しく低いまま走行したり、タイヤの亀裂や損傷を見落としたりすると、走行中にパンクやバーストを起こすリスクが高まります。高速走行時にタイヤがパンクすると大事故につながる可能性があるため、定期的なチェックは非常に重要です。

オーバーヒートを起こす

冷却水不足や冷却系統の劣化を放置するとエンジンの温度が上昇しすぎてオーバーヒートを起こします。これを放置するとエンジンが焼き付く致命的なダメージになることもあるため、大きな修理費がかかる場合があります。早めに冷却水を補充するなどの基本的な点検が、エンジン保全に大きく貢献します。

整備不良による罰則に当たる

日常点検整備は法律で義務付けられているため、怠ると整備不良車として扱われる可能性があります。整備不良で事故を起こした場合には安全運転義務違反などの罪に問われる場合もあり、免許停止や罰金などのペナルティを科されることがあります。車の所有者としては責任を持って点検を実施しましょう。

社会的信用を失う

事業用車両が整備不良による事故を起こすと、企業としての社会的信用を失うリスクが非常に高まります。取引先や顧客にも不信感を与え、契約解除やビジネスチャンスの喪失につながる可能性があります。長期的な視点で見れば、日常点検への投資は企業の信頼を守るためにも効果的な手段です。

日常点検整備で異常が見つかった場合の対応

日常点検整備で異常が見つかった場合の対応

もし点検中に異常を発見したら、どのように対処すればよいのでしょうか。基本的な流れと注意点を解説します。
日常点検の段階で異常箇所を発見した場合、まずは安全の確保が最優先です。重大な故障の可能性がある場合は走行を控え、整備工場やディーラーに連絡して適切な修理や点検を依頼しましょう。軽微な点検で済む場合でも、応急処置だけでなく後日の専門的な点検を受けるのが理想的です。
事業用車両の場合は運行管理者や上司にすぐに報告し、稼働スケジュールを再調整するなどの対応を検討する必要があります。いずれにしても、異常を放置すれば更なるトラブルを引き起こすリスクが高まるため、早めの行動が拖延による損害を最小限に抑えます。
万が一、多くの車両を管理している場合は、異常が見つかった車両の情報を共有すると同時に、同型車や同時期に走行していた車両にも注意喚起を行うと良いでしょう。同じ原因で他の車両にも不調が広がっている可能性があるからです。

日常点検整備を効果的に実施するためのポイント

日々の点検作業をスムーズかつ的確に行うために、いくつかのコツがあります。ポイントを押さえて効率的に点検しましょう。
日常点検を定着させるには、まず習慣化が重要です。具体的にスケジュールを決めて、毎月何日にチェックをするかを明確化すると、点検漏れが減少します。家族や社内で共有しておけば、ほかの人が見落としをフォローしてくれることも期待できます。

もう一つのポイントは点検記録を残すことです。どの時期にどの項目をチェックし、何の異常があったかをメモや記録アプリなどにまとめておくと、過去の傾向を把握して対策を取りやすくなります。車の調子をデータで振り返ることで、将来的に部品の交換時期などを予測しやすくなるメリットがあります。

実施する意義を共有する

家族や職場など複数人で車を利用する場合、日常点検の目的やメリットをしっかりと共有しておくとモチベーションが高まります。『点検しないと危ない』という安全面だけではなく、車両の寿命を伸ばしたり維持コストを下げたりできるという経済的なメリットも共有することが効果的です。

必要があれば整備工場で点検整備を受ける

簡単な部分はユーザー自身で点検できますが、もし異常や不安がある場合は整備工場やディーラーなど専門家の点検を受けると安心です。プロの経験を活かした詳細なチェックや、専門機器による診断でトラブルの萌芽を早期に発見できます。日常点検と専門家による定期点検を組み合わせることで、車のパフォーマンスを常に最良に保てるでしょう。

日常点検を管理しよう

日常点検は実施だけでなく、記録やチェック履歴を管理することも大切です。点検の履歴管理とメリットについて述べます。
日常点検の履歴を管理すると、車両状態の変化を時系列で把握できるため、同じ不具合が繰り返し起こる原因を特定しやすくなります。また、業者に点検や修理を依頼する際にも過去のデータを参考資料として提示できるので、スムーズなコミュニケーションが可能になります。
管理方法としては、専用のアプリやエクセルなどのツールを使うのが便利です。走行距離や交換部品の情報をまとめておくと、次回の車検や定期点検で交換が必要なパーツを早めに把握できます。成果として、故障率の低下やコスト削減などが期待できるため、手間をかける価値は大いにあります。
特に事業用車両では、複数のドライバーや管理者が点検作業を分担することも多いです。記録を一元管理すれば、誰がいつどの点検を行ったかが明確になり、不明点のフォローや車両の引き継ぎもスムーズに行えます。

点検記録の保存について

道路運送車両法第49条では、定期点検整備の際、記録簿を車内に備え記録を残すことが義務付けられています。日常点検について特に法的な規定はありませんが、定期点検同様、車内に記録簿を設置し管理することが多いです。この習慣により、日常的に車両の状態を把握することが可能となります。

定期点検の記録は、3ヶ月または6ヶ月点検対象車で1年間、1年点検では2年間の保存が義務とされていますが、日常点検の記録には法的な保存期間がありません。しかし、いつ点検を実施したかの確認や、事故時に記録提出を求められた場合に備えて、最低でも1年間保存しておくことが推奨されます。

また、保存形式についても特に指定はなく、紙のチェックシートで記録しオフィスでファイリングするのが一般的です。最近では、デジタル化により電子データとして保存し、クラウドで管理する方法も増えており、より効率的な情報管理が可能になっています。

このように、日常点検の記録を適切に管理することで、業務の安全性と効率を高めることが可能です。

業務負担軽減のために「日常点検アプリ」

日常点検アプリは、スマートフォンやタブレットなどの端末を使って点検項目をチェックし、履歴を自動的に保存できるツールです。写真や動画を添付できる機能を備えているアプリも多く、より正確に車の状態を記録できます。
また、アプリが自動でスケジュールやリマインダーを通知してくれるため、点検忘れを防ぐのにも役立ちます。管理者が複数の車両情報を一元的に確認できる仕組みを備えたものもあり、事業用車両を担当する方にとっては効率的な運用をサポートしてくれるでしょう。
さらに、点検後にそのまま整備工場へ異常報告を送信する機能を持つアプリもあります。こうした便利な機能を取り入れることで、安全性向上と業務負担軽減の両方が期待できます。

日常点検を紙で行う場合のデメリット

紙で行う点検は昔から行われてきた方法ですが、データ管理や効率性の面で課題があります。具体的なデメリットを解説します。
紙での点検は書き込み自体は手軽ですが、過去の履歴を検索するのは簡単ではありません。紙の点検表を一枚ずつめくって確認する作業は手間がかかり、複数人での共有もスムーズに行えません。
チェック項目が増えてくると、膨大な紙の束になり、紛失や破損のリスクも高まります。また、データの集計や分析をする際には一度デジタル化する必要があり、作業コストと時間のロスを招きやすいです。
事業用車両などで複数台を管理する場合は、点検記録の抜け漏れが起きやすい点も注意点です。紙への書き込みを忘れたり記録に誤記があったりして、後から情報が不明瞭になってしまうケースも珍しくありません。

はじめてのアプリ導入にはノーコードツールがおすすめ

ノーコードツールなら専門知識がなくても簡単に日常点検アプリを作成できます。導入時の注意点も確認しましょう。 ノーコードツールとは、プログラミング知識がない人でも直感的な操作でアプリを制作できるプラットフォームのことです。点検項目の追加やカスタマイズが容易に行えるため、自社や自宅にあったフォームを素早く用意できます。
導入の際は、実際に現場で使う人たちとの打ち合わせが重要です。使いたい機能を整理し、運用フローが変わる可能性を考慮して、徐々にシステムに慣れさせていくとスムーズな移行が期待できます。
アプリの利便性が高まるほど、チーム全体で日常点検を行う意識が醸成され、結果的に車両管理全体の精度が上がります。はじめての導入に少し手間がかかったとしても、長期的には大きなメリットを得られる可能性が高いでしょう。

AppSuiteの日常点検アプリとは

ノーコードで直感的なアプリ開発

AppSuiteは、コードを書くことなく直感的な操作で業務アプリを作成・カスタマイズできるノーコード開発ツールです。AppSuiteは、企業の多様なニーズに対応する「アルコールチェック&運転日誌」アプリを無料で提供しており、追加料金なしで幅広い企業で導入が可能です。

柔軟な業務プロセスの適応

AppSuiteは、既存の業務プロセスに柔軟に馴染むことができ、必要な機能を効果的に取り入れられる点が特徴的です。アルコールチェックのデータが運転者ごとや車両ごとにリンクされ、管理者は業務の流れを一目で把握可能です。また、全事業所のリアルタイムでの状況確認が可能となっており、他のシステムとも多彩な連携オプションが用意されています。このような連携機能によって、既存のIT環境を活かしつつ安全管理を強化することができます。

グループウェアとのシームレスな統合

AppSuiteは、社内コミュニケーションやスケジュール管理に用いられるグループウェア「desknet's NEO」とのシームレスな統合が可能です。この連携により、アルコールチェックの結果を素早く共有することができ、運転者や管理者に対してリマインドを送ることで、安全管理体制をより強化します。このように、従業員全体への負担を軽減しつつ、管理の効率化を実現します。

AppSuiteの日常点検アプリのメリット

AppSuiteの日常点検のメリット

ノーコードでのカスタマイズが可能

AppSuiteでは、ノーコードの特性を活かして、プログラミングの知識なしで画面構成や入力項目を自由にカスタマイズすることが可能です。このため、急速に変化する現場のニーズに対して柔軟に対応することができます。また、日常点検のプロセスに合わせてフィールドを追加できるため、担当者自身が主体的に機能を拡張できる点も、大きな強みとなります。

モバイル対応と遠隔地での柔軟なデータ入力

スマートフォンやタブレット端末から手軽に測定データを入力し、現場でクラウドへ送信できるため、時間や場所を問いません。遠隔であっても適切なアルコールチェックが可能で、操作は直感的で、特別な研修なしに利用できます。

アルコール検査履歴アプリや運転日報などのアプリと連携が可能

AppSuite上では、アルコールチェックアプリだけでなく、車両管理や運転日報など5つの関連分野のアプリケーションとも容易に連携できます。データの二重入力を省き、業務フローを一元化することが可能です。
車両管理アプリから得られるメンテナンス情報と、アルコールチェック結果を組み合わせて分析すれば、車両の健康状態とドライバーのコンディションを同時に把握できます。
部署をまたいだデータ共有やレポート作成も簡単に行えるため、安全管理だけでなくコスト最適化や運行効率の向上にもつながる総合的なメリットが期待できます。

アルコールチェックアプリのメリットと特長とは 運転日報とは?記載項目や保存期間、活用方法を徹底解説!

AppSuiteの日常点検アプリ

日常点検アプリは、日常的な点検作業を効率化するためのツールです。乗車前の点検項目として、エンジンルーム、車の周り、運転席などのチェックを、チェックシート形式で簡単に記録することができます。不良箇所が見つかった場合には、その具体的な内容や対応する処置内容を詳しく入力し、記録を保持することが可能です。これにより、日常点検作業が標準化され、問題の早期発見と対応が可能になります。

まとめ

日常点検整備は安全運行と車両のコンディション維持に欠かせない作業です。法令で義務付けられているだけでなく、事故やトラブルを未然に防ぐためにも、定期的かつ正確な点検を心がけましょう。
日常点検を正しく行うことで、車の故障リスクが低減し、燃費や走行性能をより良い状態で保つことができます。特にブレーキやタイヤ、エンジンオイルなどは直接安全性に関わる要素なので、こまめなチェックが欠かせません。
事業用車両では社会的責任も伴うため、企業全体での取り組みが重要になります。点検不備による事故や罰則、信用低下を防ぎ、安全で円滑な運行を実現するには日常点検の徹底が不可欠です。
さらに、点検の管理方法を工夫すれば、トラブルを事前に発見し、定期交換部品や修理のタイミングを的確に把握できます。面倒に感じるかもしれませんが、詳しい管理が結果的に安全とコスト削減につながるので、ぜひ積極的に取り入れてみてください。

アルコールチェックはアプリで簡単に
【ALSmartと連携】アルコールチェック&運転日報のご紹介

アルコールチェック&運転日報のご紹介

現場の「あったらいいな」を叶える業務アプリ作成ツールAppSuiteでアルコールチェック&運転日報アプリ、日常点検アプリがご利用いただけます。
アルコール測定記録の保存から、運転日報の管理、日常点検の記録など、社用車・公用車の運用に伴う管理負担をdesknet's NEOとAppSuiteを用いて効率化。

更新日:

株式会社ネオジャパン 編集部 執筆者:株式会社ネオジャパン 編集部

desknet's NEOのお役立ちコラムは、1999年の市場参入から25年以上のグループウェア開発・提供実績を持つネオジャパンが、業務改善に役立つビジネス用語の基礎知識、ツールの選び方などの情報をお届けします。グループウェア、そしてノーコードツールの開発・販売の知見をもとに、社内コミュニケーション改善、社内情報の共有といった課題解決に役立つ情報発信をいたします。

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