建設業界で働き方改革は可能?
課題と現在の取組みとは

建設業は担い手が減少している分野だと言われています。いま「働き方改革」を通じ、労働環境の改善を図り、より魅力ある職場にしていくことが求められています。今回は、そんな建設業の働き方改革について解説します。

建設業界における現状の労働環境

建設業界における現状の労働環境

建設業界は、災害対応やインフラ整備などの大変重要な役割を担っています。
その一方で、建設業の担い手は減少の一途をたどっていて、10年後の団塊世代大量離職によりさらに人手不足になることが予想されています。2014年の建設経済レポートでは、55歳以上が関係者の約32%を占める状況で、建設業界の高齢化が進行していることを確認できます。

また、建設業はほかの産業と比較して残業時間が多く、週休2日の採用も少ない状況です。
2016年度の厚労省の調査によると、年間実労働時間では、産業平均1,720時間に対して、建設業は2,056時間。年間出勤日数は、産業平均222日に対して、建設業は251日。4週8休制(週休2日相当)の適用は5.7%と非常に少なく、約65%が4週4休(週休1日相当)以下となっていて、大変厳しい労働環境であると言えます。給与水準もほかの製造業と比べて低くなっています。

建設業界における働き方改革の取組み

建設業界における働き方改革の取組み

ほかの産業と同様、建設業界でも働き方改革が始まっています。はじめに、建設業に対する法規制の状況を確認しておきます。働き方改革では、時間外労働の上限規制が大きな柱となっていますが、建設業は時間外労働上限規制の適用が猶予されています。ほかには自動車運送業、医師なども適用が猶予されています。

猶予されている理由としては、建設業における長時間労働は発注者との取引環境もその要因にあるため、規制をするにあたっては関係者を含めた業界全体としての環境整備が必要であるためとされています。2024年3月31日までは、時間外労働上限規制を猶予し、同年4月より一般業種と同様の上限規制を適用することとされました(災害の復旧・復興の事業は除く)。

※「災害の復旧・復興の事業に関しては、時間外労働と休日労働の合計について、月100時間未満、2~6カ月平均80時間以内とする規制は適用されません。」(引用:厚生労働省・都道府県労働局・労働基準監督署「時間外労働の上限規制わかりやすい解説」)

トラック運送事業では、荷主と比べて立場が弱く、荷待ち時間の負担などを強いられている背景があるため、同様に猶予期間が設けられました。

建設業における具体的な施策は次の2点です。

①「適正な工期設定や適切な賃金水準の確保」「週休2日の推進等の休日確保など」(引用:国土交通省「適正な工期設定等のためのガイドラインについて」)を進める必要があるが、建設業単独ではなかなか難しいので、発注者を含めた関係者で対策を検討していく。

②施工時期の平準化やICTを全面的に活用したi-Constructionの取り組み、書類の簡素化、中小建設企業への支援などにより生産性の向上を進める。

なお、i-Constructionとは「建設現場における生産性を向上させ、魅力ある建設現場を目指す新しい取り組み」(引用:国土交通省「i-Constructionについて」)のことです。

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国主導による「建設業働き方改革加速化プログラム」とは

国主導による「建設業働き方改革加速化プログラム」とは

国土交通省によって、建設業における週休2日の確保をはじめとした働き方改革をさらに加速させるためのプログラムが策定されました。それが「長時間労働の是正」「給与・社会保険」「生産性向上」の3つの分野における新たな施策をパッケージとしてまとめた「建設業働き方改革加速化プログラム」です。

主な内容は次の3つです。

(1)長時間労働の是正に関する取り組み

①週休2日制の導入を後押しする(公共工事における週休2日工事を大幅に拡大)

②各発注者の特性を踏まえた適正な工期設定を推進する
長時間労働とならない適正な工期設定を推進するため、各発注工事の実情を踏まえて「適正な工期設定等のためのガイドライン」を改訂する。

(2)給与・社会保険に関する取り組み

①技能や経験にふさわしい処遇を実現する

②社会保険への加入を、建設業を営む上でのミニマム・スタンダードにする

(3)生産性向上に関する取り組み

①生産性の向上に取り組む建設企業を後押しする

②仕事を効率化する
工事書類の作成負担を軽減するため、公共工事に関係する基準類を改定するとともに、IoTや新技術の導入等により、施工品質の向上と省力化を図る。

③限られた人材・資機材の効率的な活用を促進する
現場技術者の将来的な減少を見据え、技術者配置要件の合理化を検討する。

この「建設業働き方改革加速化プログラム」は、建設業団体側にも積極的な取り組みを要請し、官民の取り組みを共有しつつ、施策の具体的展開や強化に向けた対話をしながら進めていくとされています。

引用:国土交通省『「建設業働き方改革加速化プログラム」を策定 ~官民一体となって建設業の働き方改革を加速~』

まとめ

建設業界は長時間労働が慢性化し、多くの現場が週休1日という厳しい労働環境になっているため「働き方改革」の強力な推進が不可欠です。働き方改革を通じ、より働きやすい職場へと変わっていくことを願います。

参照:国土交通省「建設業働き方改革加速化プログラム 別紙」
参照:首相官邸「建設業の働き方改革に関する協議会の開催について」

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天野 洋一 執筆者プロフィール:
社会保険労務士天野事務所
所長 社会保険労務士 天野 洋一(社会保険労務士天野事務所)

千葉大学卒、同大大学院修了。
自動車メーカーで約10年間勤務後、愛知県豊田市で開業。
労務顧問や助成金申請に加え、労務のクラウド×IT化を積極的に推進している。
またライフワークとして、障害年金申請サポートにも注力している。
公式URL:https://www.amano-yoichi.com

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