業務棚卸しは業務改善の第一歩
政府主導で働き方改革が提唱されていますが、未だ毎日遅くまで残業し、心身共に疲れ果てて一日が終わっている方も少なくないでしょう。そのような時は、業務棚卸しが必要なタイミングなのかもしれません。実はやらなくても良い作業に時間を取られていたり、非効率的なフローに沿った作業をしていたり、自分の役割に集中できていない可能性もあるからです。
ただただ忙しい日々から解放されるためにも自分の業務をみつめ、効率化し業務改善に繋げていくことが今、必要とされているのです。
業務棚卸しとは?
業務の内容や目的、作業時間、業務の流れを可視化し正確に把握するためのアクションです。いくら業務改善をしようとしても、課題に即していない施策では改善策の効果も発揮されません。現状を知ることが業務効率化の重要なファーストステップとなるのです。
業務棚卸しから業務改善施策実施の方法
1.業務の作業内容を書き出す
まずは、日々処理している業務を作業ベースで書き出しましょう。なかなか書き進められない場合、日次・週次・月次といったカテゴリーで作業を書いてみると思い出しやすくなります。洗い出した作業はExcel等に入力し、対処にかかる時間や作業発生タイミングも記入していきます。
2.自分の作業にかかる時間や量を知る
1で作業ごとの発生タイミングや対処時間をまとめたものを俯瞰して見ると、本来の自分のミッションに必要な作業と不要な作業(ムダ)、ミッションに必要だけれども時間がかかり改善が必要な作業(ムリ)、量や発生時期が安定しない作業(ムラ)等が見えてきます。
この時、他社員の作業に対処するためにかかる時間や対応業務についても知っておくと相対的に自分の作業にかかる時間や作業ボリュームを評価できるため、把握しておくと良いでしょう。
3.削減できそうな作業への施策を検討する
本来ミッションに必要ない作業は削減できるか検討するべきであり、必要な時間がかかる作業は効率化や他社員に依頼できないかを考える必要があります。量や発生時期が安定しない作業はこの作業が発生しなくても良くなる対処策を検討しましょう。
業務を完結させるためには他メンバーや他部署との連携が必要な作業もあるため、自分ひとりでは解決できない課題は他社員にも協力を仰ぐことが重要です。
4.業務改善後のフローを実施し効果検証
3で考えた施策を一定期間実行し、結果の評価をすると、新たな施策導入直後は仕事をする上での変更点が多くみられ、逆に時間や工数もかかることが見込まれます。少なくとも1ヶ月は新しいやり方を続け、業務のやり方に慣れたころに効果検証をするのがベストなタイミングといえます。
新たな施策導入前と後で比較ができるよう、業務処理時間を計測することも忘れないようにしましょう。
5.中長期的に振り返りと業務フローの実施
改善した業務のやり方やフローを半年に一度のペース位で振り返ります。定期的に業務フローを見直すことで、組織体制変更や対外事情の変化にフィットした手法を模索し続けることができ、改善を継続して行う意識を癖付けできビジネスマンとしての能力向上も果たせます。
業務棚卸しのメリット
1.自分の仕事のパフォーマンスをアップさせられる
無駄な業務が省かれることで、自分の本来の業務に集中できるようになり、成果を上げやすくなります。不要な作業がなくなればミスも減るので仕事の品質も高まるでしょう。また、自分のキャリアや成長についても考える心と時間の余裕が生まれるため、仕事を通じてスキルアップを図ることもできるようになります。
2.業務の引き継ぎもスムーズ
自分の業務範囲やボリュームを正しく理解しておくことで、異動や退職によって他の社員に業務を引き継ぐ時も円滑に対処できます。
転職をする際も自分の担当業務についての理解を深めているので、職務経歴書に必要な業務内容もスラスラ書くことができるようになるでしょう。
3.業務を俯瞰的に見る目線を持てるようになる
業務改善に取り組んだ経験を持つことで、今後も業務に最適なやり方について科学する視点を持てるため、ビジネスマンとしてもワンランクアップします。
4.労働時間の削減が叶う
不要な業務がなくなれば自ずと残業も減ります。日常的に早く退社できるようになれば、プライベートを充実させ興味ある分野の勉強時間を捻出することもでき、より豊かな人生を送る一助にもなるはずです。
まとめ
今行っている業務を完成形だと思わずに、「もっと効率的なやり方があるのではないか?」と懐疑的な視点を持ち、業務改善の意識を持ち続けましょう。長時間労働から解放され、スマートな働き方でより自分らしい生活を送れるよう業務と向き合ってみてはいかがでしょうか?
執筆者プロフィール:
西山 愛実/産業カウンセラー
明治大学情報コミュニケーション学部を卒業後、新卒で人材総合会社である株式会社インテリジェンスに入社。
産業カウンセラーの資格取得をきっかけにコーディネーターへの異動を申し出、IT職種のコーディネーターにキャリアチェンジ。インフラ、ヘルプデスク等の職種を担当し、その後Webクリエイティブ職種のメイン担当になる。Web領域を事業部の注力領域へと成長させ、新領域開拓のための先行調査を行う。Web系職種への知識と営業経験を買われ、客先の大手ネット系企業での中途採用チームを立ち上げるためのSVに抜擢。エンジニア、クリエイターを大量に含む採用目標を大幅達成。
現在、人材系コラムや求人作成等フリーランサーとして活動中。
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