株式会社学宝社
様の導入事例
煩雑な返品・採点業務をAppSuiteで見える化。
部署横断のDXで、1カ月分の業務負荷を7日に圧縮し、効率化と属人化防止を実現
・図書教材の出版及び販売
株式会社学宝社(本社:名古屋市中川区)は、中学校向け学習書・図書教材を出版・販売する教育出版社です。1966年の創業以来、教育現場と向き合い続け、2026年に創業60周年を迎えます。販売店から届く副教材の返品処理や学校のテスト採点管理の負荷が増大し、紙伝票・メール・FAX・電話といったアナログ中心の運用では限界が近づいていました。このような状況もあり、同社では2025年に「商流・DX推進部」を新設。業務集約とデジタル化を同時に進める組織的取り組みをスタートさせました。
現場からの提案を契機にAppSuiteの試用を開始し、わずか4時間でプロトタイプを構築。返品管理・採点管理の双方で効率化を実現し、DX推進の基盤づくりが一気に加速しました。今回は、改革を主導したキーパーソンに話を伺いました。
<お話を伺った方>
返品管理と採点管理で浮き彫りになった、
アナログ運用がもたらす大きな事務負荷
中学校向けの学習書・副教材を全国に提供する学宝社では、教科ごとの学習内容に対応した問題集やワークブック、テスト教材など、学校現場のニーズに応じた多様な教材を企画・制作・販売しています。長年にわたり教育現場と向き合いながら、指導現場で使いやすい教材づくりを続けてきました。
創業60周年という節目を迎える中で、これまでの業務の在り方を見直し、次世代に向けた業務基盤の再構築も重要なテーマとなっていました。
こうした副教材の流通では、生徒数の変動や学校ごとの採用判断の違いなどにより、一定数の返品が発生すること自体は業界では一般的とされています。販売店・倉庫・出版社が連携しながら、正確かつ迅速に処理していくことが求められる重要な業務の一つです。しかし同社では、その運用を支える仕組みが紙中心だったため、次第に負担が大きくなっていきました。
返品管理では、副教材が返品されると「販売店→倉庫→学宝社」の三者間で紙伝票が回る仕組みでしたが、情報の抜け漏れが頻発していました。商流・DX推進部の高橋政和様は当時の様子をこう振り返ります。
「ある販売店では独自の伝票で管理しているケースもあり、当社指定の三枚綴りには“どの中学校から何部返品されたか”という情報が記入されないこともありました。倉庫担当者が補記してくれるのですが、そもそも伝票が入っておらず、学校名の把握に手間取るケースもあったのです。」(高橋様)
副教材は、学校方針の変更・生徒の転出・発注ミスなど、返品理由が多岐にわたります。学期末に大量返品が集中するケースも多く、紙管理では処理しきれない状況になっていました。一方、テスト採点を請け負う場合の進捗管理でも課題が山積していました。答案の到着日や返却予定日を把握する仕組みがなく、営業担当者からは毎日のように問い合わせが発生していたのです。
「“答案は届いていますか”“返却予定はいつですか”という問い合わせがほぼ毎日ありました。それに、採点者を確保しても、肝心の答案が届かないこともあって困っていました。」(磯村様)
採点進捗はExcelと紙の予約書で個別管理され、情報は散在していました。営業担当者は外出中に確認できず、属人的な運用が続いていたのです。
こうした課題を受け、商流・DX推進部は「情報の可視化と一元管理」を本格的に模索し始めました。
紙レイアウトを忠実に再現できる柔軟性。
圧倒的な価格優位性がノーコードツールの導入を後押し。
2024年12月、副教材の返品処理という一連の業務フローをデジタル化するプロジェクトが始動しました。同社では、AppSuite導入決定前には外部委託によるスクラッチ開発の見積もりが初期費用・改修費用ともに高額で、長期運用は現実的ではありませんでした。
他社のノーコードツールについても検討したものの、希望機能をそろえるには上位プランや追加費用が必須ということが判明しました。そこで磯村様は価格面でも圧倒的に優位かつ自由にレイアウトができるAppSuiteに注目。前職で利用していた経験があったため、すぐに試用版でプロトタイプ作成に挑戦しました。
「わずか4時間で第一弾の形ができ、自分たちでアプリを作れると示せたのです」(磯村様)。上長の高橋様も完成度を高く評価し、2025年1月にはdesknet’s NEOを正式導入し、AppSuiteによるアプリの本格稼働へ動き出しました。
導入プロセス
2024年10月
外部委託によるスクラッチ開発を見積もるも、高額な金額が提示される。
2024年11月
AppSuiteの試用期間に4時間でプロトタイプを構築。
2025年1月
AppSuiteアプリを本格運用開始。
部門横断のDXで業務基盤を再構築。
返品管理と採点管理の仕組み化で、属人化と事務負荷を同時に解消
1)[AppSuite](返品管理アプリ)
販売店から返品される副教材の管理をデジタル化。
業務負荷は従来の10分の1に削減。
これまでは紙やFAX、メール、電話など、混在していた返品の連絡経路もアプリ上に集約されたことで、返品処理の抜けモレ防止や業務の一元管理が可能になりました。また、desknet’s NEOのメール機能を活用して、各営業担当者に入力の抜けモレがあった場合のリマインドメールも自動送付できるようになり、情報の精度も上がりました。AppSuiteはアプリのプランに関わらず、自由にレイアウトができるため、紙伝票の見た目をアプリ上で再現できるのがメリットです。紙のレイアウトを再現できたことで、現場の違和感も少なく、業務を行う現場がスムーズに受け入れてくれました。
導入効果は大きく、手入力や転記作業が大幅に減少したことで、「返品処理の負荷は従来の10分の1になったと感じるほど軽減しました」(磯村様)。さらに内部統制チェックの際には、これまで数百件にもおよぶ伝票の束から情報を探していた作業が即時解決できるようになるなど、確認業務の効率も飛躍的に向上したのです。
2)[AppSuite](採点管理アプリ)
採点に関する進捗管理の問い合わせが毎日からゼロへ。
採点の人員配置がスムーズになった。
学宝社では、テストの採点業務を窓口となって請け負うケースがあります。これまではテストの実施日や答案の到着時期を部署横断で共有する仕組みがなく、「答案は届いていますか」「返却予定はいつですか」といった営業担当者からの問い合わせがほぼ毎日のように磯村様宛にあったといいます。というのもAppSuite導入前にはExcelと紙の予約書で管理していたことから、営業担当者が情報を確認できなかったためです。また、採点者の手配についても担当者の経験則に頼る部分が大きく、業務全体が見えにくい状態でした。
導入後は明確な変化が見られます。磯村様は、「営業担当者が自ら採点の進捗を確認できるアプリにアクセスできるようになると、問い合わせがほぼなくなりました」と話し、部門横断での情報共有が進んだことを実感されています。高橋様も「“反応が減ったのが反応”というほど、現場からの問い合わせが一気に少なくなりました」と導入効果を語ります。
アナログ運用から脱却したことで、採点業務全体が整理・可視化され、関係部門が同じ基盤で確実に動ける体制が整備されました。
高橋様も次のように語ります。
「属人化を防ぎながら運用の仕組みを整えることが一番重要です。AppSuiteは、誰もが迷わず作業できる環境づくりを実現するための基盤になっています。今後も内製による改善を積み重ねながら、業務効率化とチームの自立性を両立させていきたいですね。」
ご担当者のコメント
事業概要
学宝社は、名古屋市を拠点に全国の中学校向けの学習書・図書教材を手がける教育出版社です。1966年の創業以来、教育現場に寄り添った教材づくりを続け、2026年に創業60周年を迎えます。「Believe your future 豊かな教育活動を通じ、未来を拓く人づくりに貢献する」という理念のもと、学校現場の多様なニーズに応える教材を提供してきました。近年はDXによる業務効率化にも取り組み、社内事務業務の負担軽減に努めています。DXを推進すると同時に、教材の品質向上だけでなく、教育現場を支える仕組みづくりにも力を注ぎ、地域と学校教育の発展に貢献しています。
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私は、システムを作ること自体ではなく、属人化を防ぎながら運用の仕組みを整えることが重要だと考えています。ノーコードツールのような使えるものを、社員が自主的に提案していく文化が理想ですし、その手本となってくれているのが磯村です。AppSuite導入の目的も、特定の担当者に質問が集中する状況を避け、誰もが迷わず作業できる環境を整えることでした。そのため倉庫担当者の入力専用PCにショートカットを配置するなど、現場がスムーズに使える工夫を重ねています。一方で、最近入社した社員の中には、アプリ導入前のアナログな業務を知らない人も多く、変化の価値が伝わりにくい面もあります。だからこそ、業務フローの変化や負担軽減の効果を可視化し、社内で共有することが重要だと感じています。また、すべてを外注に頼るのではなく内製化を進めることで、業務変更への迅速な対応が可能になり、社員自身がDXの成果を感じながら改善を積み上げられます。こうした小さな成功体験が会社全体のDX推進につながるはずです。今後も、業務効率化と分散化を両立し、チームの自立性と生産性向上を目指していきます。
AppSuite導入前は、月初に届いた返品処理に関する書類を月末にまとめて処理するため、作業が集中して膨大な時間を要していました。現在はデータが随時届き、一週間ほどで処理が完了する。月末の追い込み作業から解放されたことで、導入効果を実感しています。今仕組みのベースが整ったので、今後は少しずつ若手に業務を引き継いでいきたいです。そうすることで、属人性を排しつつ、営業担当が自ら入力できる仕組みも広げて、業務負荷の分散と透明性の向上を図りたいです。まだまだ紙運用が残る部分がたくさんあるので、順次デジタル化し、さらなる効率化を進めていきたいと思います