意外と知らない管理機能

ワークフローの効率化と組織体制に合わせた経路設定の基本

こんにちは!カスタマーサクセス部で1on1相談会を担当している橋本です。

申請書アプリケーションで書式を作ったあとは、「経路設定」が必要になります。

実はこの経路設定、使える申請経路部品が7種類もあるんです。

お客様の声をもとに増えてきたんですが、
「どれを使えばいいの?」
「どんな場面で使うのがベスト?」
って迷うこと、けっこうありますよね。

承認フローの設計においては、運用のしやすさやメンテナンス性を考慮した申請経路部品選びが重要です。

本記事では、申請経路の設定に使用できる7種類の申請経路部品について、
それぞれの特長や活用ポイントをご紹介いたします。

「ロール」や「組織内承認者」を活用することで、柔軟かつ効率的な承認フローの構築が可能となります。
ぜひ、貴社の運用に合った申請経路部品選びの参考にしていただければ幸いです。

はじめに、使用できる7種類の申請経路部品についてご紹介していきます。



[利用例]
会長、社長、専務など、特定の個人を承認者として設定するケースです。

[特長]
申請書の押印欄には、指定した個人の氏名が表示されます。個人名での承認が必要な場面に適しています。

[補足]
個人を直接指定するため、人事異動や役職変更があった際には、経路設定の見直しが必要となります。ただし、会長や社長などの上席者は異動の頻度が少ないため、影響は限定的と考えられます。



[利用例]
・情報システム部に申請を届ける場合(例:システム申請)
・経理部に申請を届ける場合(例:旅費精算申請)

[特長]
組織単位で承認者を設定するため、人事異動があっても経路設定の変更は不要です。
新たに該当組織に配属された方に申請書が届き、組織を離れた方には届かなくなります。

[補足]
組織が消滅した場合には、経路設定の見直しが必要となりますが、影響範囲は限定的です。



[利用例]
・採用承認のために、役員ロールを経路に含める場合
・セキュリティ報告のために、ISMS委員会ロールを経路に含める場合

[特長]
ロールに所属するメンバーが承認者となるため、
人事異動が発生しても、経路設定の変更は不要です。
新たにロールに追加された方には申請書が届き、ロールを外れた方には届かなくなります。

[補足]
・一般ユーザーはロールを作成することができません。
 システム管理者が事前にロールを作成する必要があります。



[利用例]
・システム管理者以外の方が経路を作成する際に、該当するロールや組織が存在しない場合
・複数部署にまたがる横断的なメンバーを承認者として設定したい場合

[特長]
システム管理者権限がなくても、ワークフロー管理者権限をお持ちの方であれば、限定的な承認グループを作成し、経路に設定することが可能です。

[補足]
承認グループはユーザーに紐づいているため、
人事異動が発生した際にはメンテナンスが必要となります。
また、該当するロールが存在しない場合には、
システム管理者にロールの作成を依頼することをおすすめいたします。



[利用例]
・営業1課では、営業1課の課長と営業部長の承認を得る場合
・営業2課では、営業2課の課長と営業部長の承認を得る場合

[特長]
従業員数が多い企業様において、特に活躍する申請経路部品です。
下位組織から上位組織へと承認が進む経路設定が可能で、部署ごとに個別の経路を作成する必要がありません。
1つのパターンを作成することで、全部署共通のワークフローを構築できます。

[補足]
ロールや組織内承認者と組み合わせることで、
所属課の課長や部長を柔軟に指定することが可能です。
組織階層を活用することで、より効率的な承認フローの運用が期待できます。



[利用例]
・利用申請の設定完了後に、申請者へ戻す場合
・ワークフローの申請内容が正しく動作するかをテスト・検証する場合

[特長]
申請者自身を承認経路に含めることで、申請の完了通知を申請者に届けることができます。
また、ワークフローの動作確認にも活用できるため、設定時の検証用途としても便利です。

[補足]
事前の出張申請と事後の旅費精算を、ひとつのワークフローで運用することも可能です。
その場合は、「出張申請 → 申請者 → 旅費精算」という流れで構成できます。

ただし、申請者が旅費精算に追記するには、AppSuite上でのアクセス権が必要となります。
そのため、出張申請の記入欄も編集可能となってしまいます。

目的が異なる場合には、申請書を分けて管理することを推奨しております。
管理方法の詳細につきましては、別途ご紹介している記事をご参照ください。



[利用例]
・所属する部署で上長やリーダーが異なる場合
・課長や部長といったロールでまとめることが難しい場合

[特長]
管理者が承認者を固定せず、申請者が任意で承認者を選択できるように設定することが可能です。
柔軟な運用ができるため、部署内で多様な承認体制がある場合に適しています。

[補足]
申請時には、申請者が必ず承認者を選択する必要があります。
※承認者が未選択の場合、申請を完了することができませんのでご注意ください。


【7種類の申請経路部品に関して】


・特に「ユーザー」や「承認グループ」の利用に際しては、
 人事異動などによるメンテナンスの発生が懸念されるため、慎重な運用が求められます。

・個人名を押印したい場合には「ユーザー」の利用が必要となりますが、
 メンテナンス性を考慮すると、「組織」や「ロール」の活用がより適しております。

・「ロール」を活用することで、柔軟かつメンテナンス性の高い承認経路を構築できます。
 特定の役割に基づいた承認フローを設定したい場合には、非常に有効な手段となります。


次に、承認者の設定をご紹介します。

本文中でも登場した「所属組織階層」申請経路部品は、非常に便利な機能ですが、
初めてご利用になる方にとっては少しイメージしづらいかもしれません。

この申請経路部品は、組織構造と密接に関連しているため、
経路設定を行う前に、まずは組織図と合わせて理解しておくことをおすすめいたします。


【設定例1:所属組織階層とロール】



組織図は、上から順に第1階層、第2階層、第3階層、第4階層
といった構成になっており、階層ごとに承認者を設定することで、
より柔軟で実務に即した承認フローを構築することが可能です。

上記組織図を、desknets NEOの組織で表すと、こんなイメージとなります。

続けて、ロールをご紹介します。
第2階層の各本部の本部長を[本部長ロール]に含めます。
第3階層の各部の部長を[部長ロール]に含めます。
第4階層の各課の課長を[課長ロール]に含めます。

事前準備が整いましたので、経路設定に戻ります。

まずは、所属組織階層を4階層、3階層、2階層と3つ配置します。
デフォルト設定では、承認者:組織内承認者が承認となっておりますので、
ここをクリックして、ロールに変更いたします。

第4階層は、課長ロールを選択します。
所属組織階層を配置した際に、承認者を課長ロールにします。

<ポイント>
例えば、選択した課長ロールには6名いる場合、
所属組織階層を組み合わせることで、
総務課の根尾さんが申請すると、課長の佐々木さんだけに届く流れになります。


課長の設定と同じように、第3階層で部長を選択し、第2階層で本部長を選択します。
以下のような経路設定で完成となります。


【設定例2:所属組織階層と組織内承認者】



所属組織階層とロールを組み合わせて承認経路を設定する際、
お客様の組織体制によっては、課長職がすべての部署で揃わないケースもあるかと存じます。

上記のようなケースの場合には、組織内承認者を利用しましょう!

組織内承認者の設定につきましては、申請経路の設定とは別の管理項目となっております。
詳細につきましては、別途ご紹介しております記事をご参照いただけますと幸いです。


まとめ


承認経路の設計においては、業務の流れや組織体制に応じて、
適切な申請経路部品を選択することが重要です。

特に、メンテナンス性を意識した設定を行うことで、
運用負荷を軽減し、長期的に安定したワークフローを維持することが可能となります。

本記事でご紹介した7種類の申請経路部品の特長を踏まえ、
お客様の業務に最適な承認フローの構築にお役立ていただければ幸いです。

今後も、より効率的な運用を目指した情報を発信してまいりますので、ぜひご活用ください。
本件に関するご不明点やご質問がございましたら、下記までお気軽にお問い合わせください。

■本件に関するお問い合わせ
株式会社ネオジャパン カスタマーサクセス部
TEL:045-640-5921 Email:csuccess@desknets.com

WRITER
みなとデスクネッツ編集部
WRITER
みなとデスクネッツ編集部
もっと使いやすいデスクネッツを働くみなで作っていきたい! desknet's NEOをお使いいただいている皆さまがもっとデスクネッツを使いこなし、業務効率化をしていただくため、 現場目線で活用術や新バージョン情報をお伝えしていくメディアとして記事を執筆しています。
もっと使いやすいデスクネッツを働くみなで作っていきたい! desknet's NEOをお使いいただいている皆さまがもっとデスクネッツを使いこなし、業務効率化をしていただくため、 現場目線で活用術や新バージョン情報をお伝えしていくメディアとして記事を執筆しています。
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