2024年版
DX推進の“足掛かり”に!

最新グループウェア徹底比較コスト編

制作:マイナビニュース

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グループウェアとは?

グループウェアとは、メール/スケジュール/掲示板/ワークフロー/コミュニケーションなど、企業内で情報共有を行うにあたり必要となる各種機能を備えたソフトウェアのこと。社内に散在するさまざまな業務情報・業務処理をグループウェア上で一元管理することで、業務で発生していた非効率を解消するだけでなく、DX(Digital Transformation:デジタル改革)を推進するための基盤という、新たな役割も担うことが期待されている。製品によって機能の有無やコスト、使い勝手などが異なるため、企業のニーズに応じて最適なものを選ぶことが賢明とされる。

円滑なコミュニケーションや業務効率化、ナレッジの共有など、企業にさまざまな恩恵をもたらしてくれるグループウェア。しかし、コスト負担が大きければDXの推進はおろか、受けられる恩恵すら打ち消されてしまう。選定の際は、ユーザー数や予算のバランスが非常に重要な選定ポイントとなる。ここでは、「desknet's NEO(デスクネッツ ネオ)」「サイボウズ ガルーン」「サイボウズ Office」主要国産グループウェア3製品を対象に、クラウド型とオンプレミス型それぞれのコスト比較を行ってみたい。

\ 各種機能の有無や用途ごとのおすすめまで! /

最新グループウェア比較 機能編

加えて、近年その重要性が取り立たされる現場業務の電子化についても触れており、上記3製品にアプリ開発要素をプラスしたコスト比較も行っている。なお、料金体系の一覧表には参考として「Microsoft 365」と「Google Workspace」も記載した。

製品名 提供形態 提供元 最新バージョン(提供時期)
desknet's NEO オンプレミス/クラウド ネオジャパン 7.1(2022年9月)
サイボウズ ガルーン オンプレミス/クラウド サイボウズ 5.9SP2(2022年5月)
サイボウズ Office クラウド サイボウズ 2022年10月版
Microsoft 365(旧:Office 365) クラウド 日本マイクロソフト 非公開
Google Workspace(旧:G Suite) クラウド グーグル 非公開

※1 2022年10月公開日時点の情報に基づいて作成しています。現在の情報と差異がある可能性があります。
※2 desknet's NEOのオンプレミス価格は2024年2月1日適用のライセンス体系に基づいて作成しています。

比較する価格について

本稿における掲載価格は、各サービスの提供企業が公式発表しているデータを一覧化したものとなる。実際にグループウェアを導入する際、代理店などの中間業者が入ると価格にズレが生じることもあるため、あくまでも参考数値としてご覧いただきたい。

ここでは価格体系の一覧表に加えて、その価格適用時における「初年度・3年・5年」それぞれのコストをユーザー数ごとにグラフと表で比較した。なお、価格はすべて税抜き表記に統一している。

クラウド型とオンプレミス型

各製品の違いを細かく見ていく前に、ここで全体的な傾向について触れておきたい。まずオンプレミス型は、その多くがユーザー数に応じたディスカウント制度を採用している。一方でクラウド型は、ユーザー数に関係なく月額や年額が固定のサービスが多いため、どうしてもユーザー数が増えるほどコスト効率が低下する傾向にある。しかし逆に、ユーザー数が少なければ、こうした影響を受けないことから、中小規模の企業にとってはうれしい選択肢といえよう。

また今回の比較では、現場業務における電子化の需要を満たすうえで、実際にどれくらいのコストが必要になるかの目安として、主要な国産グループウェア3製品にアプリ開発要素をプラスしたコスト比較も実施している。なお、「サイボウズ Office」と「desknet's NEO」は、グループウェアのオプションとしてそれぞれ「カスタムアプリ」と「AppSuite」というアプリ開発機能を有しているが、オプションのない「サイボウズ ガルーン」に関しては参考として別サービス「kintone」の「スタンダードコース」との組み合わせを比較対象としている。

後半では500ユーザー・1000ユーザーにおけるオンプレミス型のコスト比較も実施。初年度以降のサポート料金については、1年ごとの契約更新で算出したものとなっている。確かに複数年契約の場合はある程度の値引きを受けられるが、実際には年度ごとに予算をつけるといった都合から、単年契約を選択する企業の方が多いためだ。オンプレミス型はクラウド型よりも単純比較が難しくなるが、概算費用を算出する際などに役立てていただきたい。

なお、「サイボウズ Office」には10ユーザーから導入できるパッケージ版が提供されていたが、こちらは2021年9月に基本ライセンスの販売を終了。2023年9月にLinux版のサポートが、2027年9月にはWindows版のサポートが終了する予定となっている。これにより、サイボウズでオンプレミス型を選ぶ場合の選択肢は「サイボウズ ガルーン」のみとなった。

クラウド型でのコスト比較

1ユーザーあたりの価格体系表(クラウド・初年度)
desknet's NEO サイボウズ ガルーン(クラウド版) サイボウズ Office Microsoft 365 Google Workspace
・基本プラン
400円/月 または 4,800円/年
・~300ユーザー
845円/月 または 9,935円/年

・301~1,000ユーザー
800円/月 または 9,405円/年

・1,001ユーザー~
別途相談
・スタンダードコース
500円/月 または 5,880円/年

・プレミアムコース
(スタンダードコース+カスタムアプリ)
800円/月 または 9,405円/年
◇一般法人向け
●Microsoft 365 Business Basic
650円/月 または 7,800円/年

●Microsoft 365 Business Standard
1,360円/月 または 16,320円/年

●Microsoft 365 Business Premium
2,390円/月 または 28,680円/年

◇大企業向け
●Microsoft 365 E3
3,910円/月 または 46,920円/年

●Microsoft 365 E5
6,200円/月 または 74,400円/年
●Business Starter
680円/月 または 8,160円/年

●Business Standard
1,360円/月 または 16,320円/年

●Business Plus
2,040円/月 または 24,480円/年

●Enterprise
別途問い合わせ

国産グループウェア主要3製品の比較

5ユーザー 比較表

100ユーザー 比較表

500ユーザー 比較表

比較表

初年度コスト 比較表
ユーザ数 desknet's NEO サイボウズ Office (スタンダードコース) サイボウズ ガルーン
5ユーザー ¥24,000 ¥29,400 ¥49,675
100ユーザー ¥480,000 ¥588,000 ¥993,500
500ユーザー ¥2,400,000 ¥2,940,000 ¥4,702,500
利用3年目コスト 比較表
ユーザ数 desknet's NEO サイボウズ Office (スタンダードコース) サイボウズ ガルーン
5ユーザー ¥72,000 ¥88,200 ¥149,025
100ユーザー ¥1,440,000 ¥1,764,000 ¥2,980,500
500ユーザー ¥7,200,000 ¥8,820,000 ¥14,107,500
利用5年目コスト 比較表
ユーザ数 desknet's NEO サイボウズ Office (スタンダードコース) サイボウズ ガルーン
5ユーザー ¥120,000 ¥147,000 ¥248,375
100ユーザー ¥2,400,000 ¥2,940,000 ¥4,967,500
500ユーザー ¥12,000,000 ¥14,700,000 ¥23,512,500

国産グループウェア主要3製品+アプリ開発機能での比較

5ユーザー 比較表

100ユーザー 比較表

500ユーザー 比較表

今回比較した国内産のクラウド型グループウェアのなかでは、「サイボウズ Office」と「desknet's NEO」が完全定額制を採用しており、ユーザー数が増えるほど差が顕著になっていくのが分かる。また、「サイボウズ Office」は簡易的なデータベース機能の「カスタムアプリ機能」がないスタンダードコースを基準としたが、それでも「desknet's NEO」の方が低コストとなっている。

一方で「サイボウズ ガルーン」には、300ユーザーと1000ユーザーを区切りにディスカウント制度が用意されている。しかし、ほかの2製品と比べると価格の開きはかなり大きい。とくに「desknet's NEO」との比較では、5/100ユーザーでいずれも2倍以上、500ユーザーで2倍弱もの差がついている。

オンプレミス型でのコスト比較

価格体系表(オンプレミス・初年度) ─ 標準パッケージ
desknet's NEO (パッケージ版) サイボウズ ガルーン (パッケージ版)
・基本ライセンス
ユーザー数:基本ライセンス/年間サポート(2年目以降/年)
5ユーザー:75,000円/18,000円
10ユーザー:100,000円/18,000円
20ユーザー:150,000円/18,000円
30ユーザー:200,000円/45,000円
50ユーザー:250,000円/45,000円
100ユーザー:500,000円/90,000円
200ユーザー:1,000,000円/140,000円
300ユーザー:1,500,000円/180,000円
400ユーザー:2,000,000円/270,000円
500ユーザー:2,500,000円/360,000円
600ユーザー:3,000,000円/450,000円
700ユーザー:3,500,000円/540,000円
800ユーザー:4,000,000円/630,000円
900ユーザー:4,500,000円/720,000円
1,000ユーザー:4,760,000円/760,000円
1,500ユーザー:5,310,000円/810,000円
2,000ユーザー:5,900,000円/900,000円
3,000ユーザー:7,080,000円/1,080,000円
5,000ユーザー:8,850,000円/1,350,000円
7,000ユーザー:10,620,000円/1,620,000円
10,000ユーザー:12,390,000円/1,890,000円
無制限ユーザー:15,340,000円/2,340,000円

※基本ライセンスには、初年度の年間サポートが含まれる。
・新規ユーザーライセンス
ランク ユーザーライセンス数
基本ユーザーライセンス(新規・追加)
A ~50ユーザー 600,000円/50ユーザー
B 51~249ユーザー 11,000円/1ユーザー
C 250~499ユーザー 10,000円/1ユーザー
D 500~999ユーザー 9,000円/1ユーザー
E 1,000~2,499ユーザー 8,000円/1ユーザー
F 2,500~4,999ユーザー 7,500円/1ユーザー
G 5,000~ 別途問い合わせ

・継続サービスライセンス
ランク ユーザーライセンス数
継続サービスライセンス1年分
A ~50ユーザー 120,000円/50ユーザー
B 51~249ユーザー 2,200円/1ユーザー
C 250~499ユーザー 2,000円/1ユーザー
D 500~999ユーザー 1,800円/1ユーザー
E 1,000~2,499ユーザー 1,600円/1ユーザー
F 2,500~4,999ユーザー 1,500円/1ユーザー
G 5,000~ 別途相談
価格体系表(オンプレミス・初年度) ─ オプションほか付属パッケージ
AppSuite kintone
・基本ライセンス
ユーザー数:基本ライセンス/年間サポート(2年目以降/年)
5ユーザー:60,000円/14,400円
10ユーザー:80,000円/14,400円
20ユーザー:120,000円/14,400円
30ユーザー:160,000円/36,000円
50ユーザー:200,000円/36,000円
100ユーザー:400,000円/72,000円
200ユーザー:800,000円/108,000円
300ユーザー:1,200,000円/144,000円
400ユーザー:1,600,000円/216,000円
500ユーザー:2,000,000円/288,000円
600ユーザー:2,400,000円/360,000円
700ユーザー:2,800,000円/432,000円
800ユーザー:3,200,000円/504,000円
900ユーザー:3,600,000円/576,000円
1,000ユーザー:3,808,000円/608,000円
1,500ユーザー:4,248,000円/648,000円
2,000ユーザー:4,720,000円/720,000円
3,000ユーザー:5,664,000円/864,000円
5,000ユーザー:7,080,000円/1,080,000円
7,000ユーザー:8,496,000円/1,296,000円
10,000ユーザー:9,912,000円/1,512,000円
無制限ユーザー:12,272,000円/1,872,000円

※基本ライセンスには、初年度の年間サポートが含まれる。
・ライトコース
月額780円/1ユーザー(年額9,170円/1ユーザー)

・スタンダードコース
月額1,500円/1ユーザー(年額17,640円/1ユーザー)

国産グループウェア主要2製品の比較

500ユーザー 比較表

1000ユーザー 比較表

国産グループウェア主要2製品+アプリ開発機能での比較

500ユーザー 比較表

1000ユーザー 比較表

オンプレミス型に関しては、「サイボウズ ガルーン」と「desknet's NEO」で初年度からかなり大きな差が見られた。同条件でいずれも2倍弱の差があるほか、「サイボウズ ガルーン」の500ユーザーと、「desknet's NEO」の1000ユーザーで比較しても、かなり近しい価格となっている。

アプリ開発機能との組み合わせについては、前述の通りオプションとして用意されているのは「サイボウズ Office」と「desknet's NEO」の2製品。ただし、「desknet's NEO」の「AppSuite」が5ユーザー以上から契約/購入できるのに対して、「サイボウズ Office」の「カスタムアプリ」は同ユーザー数の契約/購入が必須条件となる。このため、限られた部署でのみアプリ開発機能を使いたいような場合であっても、全ユーザー分の契約を必要としてしまう点は留意したいところ。また、参考として比較した「サイボウズ ガルーン + kintone(スタンダードコース)」の組み合わせは、クラウド型限定でのみ提供され、オンプレミス型での導入ができない点は抑えておきたい。ユーザー情報などの連携に関しても、クラウド版の「サイボウズ ガルーン」と組み合わせた場合にのみ対応する。

最新グループウェア徹底比較 コスト編 総論

今回行ったコスト比較では、「desknet's NEO」の優位性が際立つ結果となった。もちろん、グループウェアを選ぶ際には価格だけでなく、機能の有無や利便性など、ほかにも選定の際に重視する点は多くある。なかでも現場での使い勝手はとくに留意すべき項目で、いくら高機能でも使われなければ、コストの面からも宝の持ち腐れとなりかねない。

なお、機能編でも言及した通り各サービスともクラウド型が主体となっているが、ランニングコストやセキュリティなどの関係から、オンプレミス型を検討するケースもあるだろう。こうした側面から見ると、現時点でオンプレミス導入に対応しているのは「desknet's NEO」と「サイボウズ ガルーン」のみ。さらに、同一ツール内におけるノーコード・ローコードツールの利用も条件とすると、選択肢は「desknet's NEO」のみとなる。

また、製品選定時にクラウド型とオンプレミス型のどちらを選択すべきかは、コストの側面からも重要なポイントといえる。たとえば、小規模な事業所、部署単位での導入であれば、少ないユーザー数からでも柔軟に導入できるクラウドを、逆に大規模な企業での全社的な導入といった場合にはオンプレミスといった具合に、自社のニーズと導入規模、用途に合った機能とコストのバランスを考える――これこそ、グループウェアを選定するうえで最も重要なポイントといえるだろう。

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