働き方改革

インクルージョンとダイバーシティの違い、人事上の留意点

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「インクルージョン」という言葉を、最近あちこちで耳にするようになりました。働き方改革や人材開発に取り組む部署に「インクルージョン推進」などという名称がついていたり、研修テーマになっていたりします。
なぜ今、インクルージョンという概念が注目され始めたのでしょうか。

インクルージョンとは

インクルージョンとは

 

インクルージョン(inclusion)という言葉は耳新しくても、インクルード(include)は、学生時代に習った言葉ではないでしょうか。そう、「含む」という意味です。
インクルージョンはインクルードの名詞形なので、包括・包含という意味です。何かを含んで全体をまとめること、さまざまな要素が集まって全体が成り立っていることを示します。
組織でいうと、企業内の従業員一人ひとりが存在を認め合い、仕事で活躍でき、能力や経験を活かして貢献しているというイメージです。

 

日本は団塊の世代が経験した高度経済成長期の後、1990年代後半から急激な少子化が始まりました。今後も労働人口は減少し続け、相対的に高齢者の比率は増加し続けます。高度経済成長期の流行語「24時間働けますか」に代表されるフルタイムの男性社員だけでは、会社も社会も存続できません

 

そこで政府が力を入れてきたのが、女性・シニア・障がい者など、さまざまな人が働きやすい社会の実現です。ダイバーシティの観念です
企業が多様な人材を採用し始めたのは、労働力不足の対応のためだけではありません。高度経済成長期のように、大量生産された商品を大量に消費する時代が終わり、現在は多様な人々が多様なニーズを求める時代です。多様なニーズに応えるには、企業の中にも多様な人材が必要です。
 
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インクルージョンとダイバーシティの違い

インクルージョンとダイバーシティの違い

 

これまで、企業の求める多様性は「ダイバーシティ」という言葉で語られていました。国籍・性別・宗教・世代・ライフスタイルの異なる「多様な人材を採用し、さまざまな人材が共存している」状態がダイバーシティです。フルタイムの男性社員だけでなく、女性社員・外国人社員・シニア・LGBT・短時間労働者・障がい者や介護や病気のため不規則な働き方をしている人など多様な背景をもった人たちが一緒に働くこと、そんな多様性を企業のダイバーシティの指標としていました。

 

それに対しインクルージョンとは、多様な人材の共存だけでなく、その人たちが「互いに認め、受け入れ、一体となって働く」ことで、多様な人材を活かすことができ、企業・組織としてより大きな価値を提供できる」ことです。
「多様な人材を受け入れ、共存する」ダイバーシティから、「受け入れた人々の多様な個性・能力を活かす」インクルージョンに発展したということです。

 

大きな船の上に、さまざまな背景をもった人が同乗し力を合わせてゴールを目指している状態を「ダイバーシティ」とすれば、その船の上のあちこちで、一人ひとりが能力や経験を活かし、知恵を出し合い助け合い、より良い形でより効率的にゴールを目指す、それが「インクルージョン」です。
 
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インクルージョン推進のメリット

インクルージョン推進のメリット

 

もしかしたら「ダイバーシティ」では、フルタイムで働けない子育て期の女性・シニア・障がい者は、十分に活躍する場がなく、「働かせてもらっている」という意識を持たざるを得なかったかもしれません。しかし、「インクルージョン」は、そうではありません。障がい者もシニアも介護の短時間社員もその存在そのものに価値があり、活躍できる理由があると考えます。全ての社員の個別の事情を「個性」として認め合い、その個性と能力を活かして会社に貢献することを期待します。全員が100%同じことができなければ、互いに補完し合い、受け入れ合い、一つの組織を完成させることを目指します。

 

例えば、障がい者・外国人・シニア世代が一緒に働くことで、消費者としてのニーズを知ったり、ネットワークを活かして情報収集するなど、画一的な男性社員だけの企業では考えられない柔軟な発想や消費者目線で商品・サービスを考えることができるようになります。
 
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インクルージョン導入の留意点

インクルージョン導入の留意点

 

インクルージョン導入の留意点は、相互理解と尊重ではないでしょうか。上から目線で働かせてあげる、助けてあげるではなく、相手の強みや能力を認め、フラットに意見を聞き入れること、偏見や先入観をもたずに耳を傾けること、公平な視点をもつこと、失敗を受け入れる風土を作ることなど、許容性の大きな組織が求められます。
 
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まとめ

インクルージョンはまだ新しい取り組みです。うまく活用できるかどうかで企業の今後の成長に大きな影響を与えるのではないでしょうか。インクルージョンなんて無理と思わず、どうしたらできるのか、どうしたら目の前の人材の個性と強みを伸ばすことができるのか、そんな発想が求められます。多様な働き手が増えるということは、個人の能力を伸ばすだけでなく、時間や場所の制限を超えて、能力の違いを補完し合うチームで成果を上げることが大事になります。
 
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奥野 美代子奥野 美代子(おくの みよこ)
株式会社アイリスプランナー 代表取締役/中小企業診断士
外資系ブランドで、ブランドPR・マーケティング27年の経験後、2011年独立。医療・介護機関のブランディングや戦略策定、顧客満足・従業員研修、財務コンサルティングを行う。
https://www.irispl.jp

WORKSHIFT DESIGN 編集部

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WORKSHIFT DESIGN 編集部

WORKSHIFT DESIGN(ワークシフトデザイン)編集部。 働き方を、シフトする。現場目線で新しい時代の働き方を考えるメディアとして【働き方改革】【リモートワーク/ワークスタイル】【残業削減】【業務効率化】をテーマに記事を執筆しています。