働き方改革

いよいよ義務化へ!?勤務間インターバル規制で期待できる効果

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いよいよ義務化へ!?勤務間インターバル規制で期待できる効果

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社会問題化している長時間労働を解消するため、「働き方改革」の一環として取り入れられつつあるのが「勤務間インターバル規制」です。義務化に向かう流れもあり、「知らなかった」では済まされません。

 

今回は、勤務間インターバル規制を適切に導入・運用するためのポイントや注意点を解説します。

勤務間インターバル規制が注目を集める理由

勤務間インターバル規制が注目を集める理由

 

「働き方改革」で取り組むべき課題は、大きく分けて「①長時間労働の抑制」「②正規と非正規労働の格差を少なくすること」「③女性や高齢者の就労を促進して労働人口を増やすこと」の3つ。勤務間インターバル規制とは、このうち「①長時間労働の抑制」の分野に対する取り組みで「仕事終わりから次の仕事開始まで休息のために一定時間以上のインターバル(間隔)を取りましょう」という規制です。

 

例えば深夜0時まで残業をしたとして、インターバルが10時間と決まっていれば、通常の始業が午前9時であっても、その社員は翌日午前10時からしか仕事ができない、ということになります。EUなどではすでに義務化されていて、インターバルも最低連続11時間などとされています。

 

勤務間インターバル規制の他にも長時間労働抑制のための施策があり、総残業時間の上限規制や60時間を超える残業に対する賃金の割増率のアップが挙げられます。残業時間についてはこれまで実質的に青天井でしたが、法改正により上限が最大で月100時間未満(年間720時間)となります(労使間の36協定で特別条項を設けるなどの一定の条件あり。大企業は2019年4月、中小企業は2020年4月から)。また、残業代の割増率についてもすでに大企業では60時間を超える残業については50%以上の割増賃金を支払わなければなりませんが、2023年4月からは中小企業にも拡大されて義務化される予定です(現状の割増率は25%以上)。

 

しかし、残業時間の上限である「月100時間」は、いわゆる過労死認定ラインの月80時間を超える時間であり、社員の健康上安全な数字であるとは言い難い面があります。さらに、残業代の割増率アップにしても割増した残業代を支払うのならこれまで通り社員を働かせることが可能ともいえ、会社の方針によっては必ずしも長時間労働抑制につながっていかない恐れがあります。

 

勤務間インターバル規制では、長時間の残業をすればするほど強制的に翌日の始業時間が後ろ倒しになるため、物理的に長時間の残業がしづらくなります。社員の休息時間を確保しつつ、長時間労働抑制の効果も期待されるため、働き方改革としての勤務間インターバル規制に注目が集まっているのです。義務化に向かう流れも加速していますので、今後の動向に注視する必要があるでしょう。

 

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勤務間インターバル規制を導入する企業側のメリット

勤務間インターバル規制を導入する企業側のメリット

 

勤務間インターバルを導入する企業側のメリットとしては、やはり社員の残業の抑制とそれに伴う健康維持・増進効果が考えられます。一定時間のインターバルを必ず取らせることで、過労やメンタルヘルス不調を防ぐことが期待できるでしょう。

 

また、残業をすればするほど翌日の始業が遅くなるため、仕事の効率化を進めなければ翌日の帰宅時間がさらに遅くなってしまいます。会社としては残業代や深夜割増賃金といったコストがかかりますし、社員にとっても帰宅が日々遅くなる事態は避けたいと考えることでしょう。労使が仕事の効率化に取り組むといった点も勤務間インターバル導入のメリットといえるかもしれません。

 

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適正なインターバル時間をどう設定するか。マネジメント力が求められる

適正なインターバル時間をどう設定するか。マネジメント力が求められる

 

勤務間インターバル制度を活用するにあたって気をつけるべきポイントは、自社にとって適正なインターバル時間をどう設定するかです。厚生労働省の有識者会議では「8時間から12時間」が例示されました。一方で、過労死遺族などからは「欧州並みの11時間を義務化すべき」という意見もあります。何時間が適当であるかどうかは業務の内容や量によって異なってきます。社員の負担増になっては元も子もなくなりますので、今後の法整備の状況や自社の労働環境を踏まえて慎重に設定すべきです。

 

また、社員の中には始業時間を遅らせるためにわざと残業をするなどといった極端な考えを持つ人も出てくるかもしれません。あくまで勤務間インターバル規制は、長時間労働を減らして適正な労働時間を維持するための制度であって、社員の都合で始業と終業の時間を自由に調整できる制度ではありません。社員の仕事量を把握し、残業が適正なものであるかを管理するマネジメント力が会社には求められます。

 

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会社と社員がWin-Winになるよう、勤務間インターバル規制を上手に活用して

勤務間インターバル規制を上手に活用できれば、長時間労働の抑制と仕事の効率化を進めることができるでしょう。社員が十分な休息をとることができれば、仕事へのモチベーションもアップするはずです。

 

会社と社員の双方が、どうすれば「働き方改革」につながるかを同じ方向性で考えることが成否の鍵を握ります。Win-Win(ウィンウィン)の関係がつくれるよう、労使が協力して進めていくことが大切です。

 

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筆者:大竹光明/社会保険労務士
関西大学社会学部在籍中に社会保険労務士試験に合格。大手労働保険事務組合、社会保険労務士事務所での勤務を経て、平成18年に独立開業。顧問契約している企業の業種は、大阪府を中心に製造、建設、卸売り、飲食店など多彩で、社員数1名の小規模企業から数万人の社員を抱える東証1部上場企業まで幅広い。労働・社会保険の手続き代行、就業規則作成コンサルティング、人事・賃金制度構築支援、労務管理コンサルティングなどを手がけ、最近では教育研修や人事評価制度の構築支援および運用支援業務に注力している。■HP:http://osaka-otake.com/

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WORKSHIFT DESIGN(ワークシフトデザイン)編集部。 働き方を、シフトする。現場目線で新しい時代の働き方を考えるメディアとして【働き方改革】【リモートワーク/ワークスタイル】【残業削減】【業務効率化】をテーマに記事を執筆しています。