残業削減

みなし残業代(固定残業代)制度は、本当に残業代節約になるのか?

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現在、みなし残業代(固定残業代)として月々固定の金額をお給料に上乗せしたり、みなし残業代をお給料にあらかじめ含めて月額いくらと提示したりしている企業があります。このみなし残業代について、残業代の節約になるということで導入している企業が多いのですが、実際の残業時間に応じた残業代を支払うことと比較して本当にメリットがあるのでしょうか? みなし残業代の仕組みを再確認します。

みなし残業代(固定残業代)とは

みなし残業代(固定残業代)とは

 

みなし残業代とは、企業が社員の給料に対して、一定の残業時間分を実際の残業の有無にかかわらず固定で支払う制度です。毎月固定ですので、固定残業代とも呼ばれています。社員にとっては、みなし残業代はすでに給料の中に組み込まれていますので、毎月何時間残業をしたのかという認識もなく働いているのが現状でしょう。

 

しかし、みなし残業代は企業が自由に設定できるものではなく、労働基準法に沿った厳しい要件があります。みなし残業代について、就業規則に明確に記載し、社員に周知する必要があります。単に「みなし残業代月○万円」と記載するだけでなく、例えば「月5万円(月25時間分の残業)」というようにそれが何時間分の残業代なのかまで記載しなければなりません。

 

では、実際の残業時間が、みなし残業代で定められた残業時間と違っていた場合は、どうなるのでしょうか?
実際には残業時間が少ない場合でも、みなし残業代は減らされることなく全額支払われます。社員にとってはうれしいことですが、実際には残業時間のほうが短いケースは少ないと言えるでしょう。
次に実際の残業時間のほうが多かった場合、決められた残業時間を超過した分は、別途残業代として支払わなければなりません。例えば、25時間のみなし残業代の設定にもかかわらず、実際には35時間働いた場合は、10時間分を別途支払うわけです。
 
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みなし残業代(固定残業代)と適切な残業代の計算方法

みなし残業代(固定残業代)と適切な残業代の計算方法

 

残業代を計算する場合、まず1時間当たりの賃金を計算する必要があります。

基本給=月給-みなし残業代-諸手当

 

①1時間あたりの賃金=基本給÷1カ月当たりの平均所定労働時間[(365日-年間所定休日)×1日の所定労働時間÷12カ月]

 

②1時間当たりの残業代=①×1.25

 

「みなし残業代」の残業代は、②を参考にしてきりがいい数字で計算しているケースがほとんどです。

 

例えばみなし残業代が月5万円で30時間の残業だとします。そうすると1時間当たりの残業代は、1,667円となります。この金額が②の数字と同じかそれ以上の金額であれば問題ありませんが、②の数字より小さくなる場合は違法であり、計算し直す必要があります。

 

次に残業が30時間以上になった場合には、超えた時間分だけ②の計算式で計算します。ただし、みなし残業代の金額のほうが高ければ、その金額で計算することも可能です。

 

このように、みなし残業代を計算する場合は、まずは給料から1時間当たりの残業代がいくらになるのか計算をしてから、月額の固定金額を決定します。今まで適当な数字でみなし残業代を支払っていた企業は、今一度計算をし直す必要があること、社員が昇給して基本給が増えた場合はその都度計算し直す必要があることを心に留めておきましょう。
 
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みなし残業代の注意点

みなし残業代の注意点

 

みなし残業代でまず注意をしてほしいことは「うちの会社はみなし残業代を払っているからいくら残業しても別途残業代は出ないよ」という説明です。
実は、これは違法です。訴えられた場合は、遡って超過した残業代を支払わなければなりません。

 

また、みなし残業代は、決められた一定の残業時間に達しなくても支払わなければなりません。そのため、その決められた一定の残業時間に至らなかった分の時間を、別の月に補う(余分に仕事をする)ことで対応している企業が後を絶ちません。今月は、みなし残業の25時間のうち20時間しか残業をしなかったので、残り5時間を来月にまわして30時間の残業をしてもらうというわけです。しかし、このような残業時間の繰り越しはできません。毎月の残業時間は、その月で精算しなければならないのです。
 
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まとめ

みなし残業代は、本来企業と社員の双方にとってどちらもメリットがある制度です。企業としては、一定の時間数までは残業代の計算をする必要がなく、経理作業のコストを抑えることができます。また社員にとっては、残業してもしなくても毎月一定の収入が見込めます。

 

元々みなし残業代は、残業時間が長い企業が、残業時間を削減するために考えだされたものです。残業をしてもしなくても一定の残業代がもらえるのであれば、残業をしないほうが得なので、効率的に仕事をしようと社員のモチベーションをあげることにもつながります。そのために必要なことは、社員にみなし残業代の仕組みを説明することです。説明することで、残業をしなくても一定の給与がもらえることを強調し、残業時間削減に取り組むことが肝要なのです。

 

このようにみなし残業代は、きちんとその意義を理解して活用することで残業代節約に非常に効果がある制度と言えるでしょう。
 
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菅田 芳恵菅田 芳恵(社会保険労務士)
グッドライフ設計塾 代表
13の資格を活かして、人事労務だけではなく、メンタルヘルスやキャリア形成、スキルアップそしてライフプランまで様々な知識で企業や労働者とかかわっている。
公式URL http://goodlife21.com/

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WORKSHIFT DESIGN 編集部

WORKSHIFT DESIGN(ワークシフトデザイン)編集部。 働き方を、シフトする。現場目線で新しい時代の働き方を考えるメディアとして【働き方改革】【リモートワーク/ワークスタイル】【残業削減】【業務効率化】をテーマに記事を執筆しています。